国登録有形文化財「本妙寺仁王門」修復へ 一般から寄付募る 熊本地震で被災

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熊本地震で被災し、約2億5千万円をかけて修復することが決まった本妙寺の仁王門=10月、熊本市西区

 熊本市西区の本妙寺は2日、熊本地震で被災した同寺の総門・仁王門(国登録有形文化財)を2021年10月から約1年かけて修復する計画を明らかにした。設計・施工費などの総額2億5383万円のうち3分の2は文化庁などの補助や県の復興基金を活用し、残る自己負担額8461万円は一般の寄付を募るなどして賄う方針。

 仁王門は1920(大正9)年、当時珍しい本格的な鉄筋コンクリート建造物として完成。2016年の熊本地震では天井・壁に無数の亀裂が走り、支柱が地面にめり込むなど激しく被災した。公道上に立つが、崩落の危険があるため通行禁止が続いている。

 一時は解体撤去案も浮上。しかし文化財としての価値に加え「地域のシンボルである仁王門を残してほしい」と住民から声が上がり、修復の道を探ってきた。

 国の補助などのほか、寄付者が税の優遇を受けられる指定寄付金制度を活用。本妙寺は檀家[だんか]を持たず、自己負担分については一般から寄付を募る。

 2日は同寺で、関係寺院や地元住民の代表ら25人に設計概要を説明。担当の傳[でん]設計(福岡市)によると屋根部分の外観は変更せず、左右の通路などにコンクリート壁を増設し耐震補強する。2階の仁王像とライオン像は1階に下ろす案が有力。

 同日、仁王門の下部に調査のための仮囲いが設置された。再び全容を現すのは約2年後。本妙寺の池上正示住職(60)は「市民、県民の財産として保存に協力をお願いします」と話した。

 寄付についての問い合わせは、同寺TEL096(354)1411。(三國隆昌)

●本妙寺と仁王門
 本妙寺は1585年、加藤清正が大坂に建立した後、熊本に移した。境内には清正を祭り、銅像が立つ。仁王門は1920年に完成。正面幅13メートル、奥行き6メートル、高さ15メートルの八脚門。切り妻屋根の前後に軒唐破風[のきからはふ]を備える。北九州の実業家・小林徳一郎(1870~1956年)が寄進し、傘下の小林組が設計・施工を手掛けた。