エクストリームE:ロズベルグ率いるRXR、WorldRX3冠王者の起用を発表。サインツも参戦へ

©株式会社サンズ

 新たな電動オフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』シリーズに、WorldRX世界ラリークロス選手権で自身3度目のタイトルを獲得したばかりのヨハン・クリストファーソンの参戦が決定。元F1王者ニコ・ロズベルグ率いるロズベルグ・エクストリーム・レーシング(RXR)の男性ドライバーとして起用される。また、電動化技術のフロントランナーであるスペインの企業QEVテクノロジーズは、同国のコングロマリット『ACCIONA(アクシオナ)』と組み、新チームを結成。ダカール覇者の帝王カルロス・サインツと、もっとも成功を収めた女性ライダーのひとりであるライア・サンズとの契約をアナウンスした。

 2021年3月開幕を予定する電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権に向け、最強のF1王者ルイス・ハミルトンに続いて自身のチームを立ち上げてチャレンジを決めたロズベルグは、そのリードドライバーに稀代の才能を誇るラリークロス王者の起用を決めた。

 2020年はWorldRX最終戦のキャンセルにより、不完全燃焼のまま3度目の戴冠となった32歳のクリストファーソンは、2014年のシリーズ参戦以来わずか6シーズンで通算24勝を記録する。

 それ以前には、2012年にSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権やイタリアの“SuperStars”などサーキットでもタイトルを獲得する成功を収め、TCR規定となったSTCCでの2度目の戴冠を足掛かりに、2019年にはWTCR世界ツーリングカー・カップにもチャレンジし、ランキング5位に。また、R5規定車両でのWRC世界ラリー選手権参戦など、あらゆる車両を乗りこなす多彩さを披露してきた。

「ロズベルグ・エクストリーム・レーシングへの加入を本当に誇りに思う。このシリーズの地球環境保護へのメッセージも、僕にとってとてもやりがいのある仕事だ」と、エクストリームE参戦への意気込みを語ったクリストファーソン。

「ドライバーとして、つねに才能豊富なウイナーたちに囲まれたいと思うのは当然だ。ニコと彼の集めた組織は、勝つことが約束されているチームだ。2021年3月までにやるべきことは山ほどあるが、今すぐ始めたいと思っているよ」

 一方、RXR創設者兼CEOのロズベルグも、WorldRX王者起用について「ヨハンのような系譜を持つドライバーを、僕らRXRファミリーに迎え入れられることをうれしく思っている」と、その活躍に期待を寄せた。

「彼はそのキャリアを通じて、ツーリングカー、ラリークロス、ステージラリーとあらゆる分野で一線級の才能の持ち主であることを証明してきた。誰もが未知のチャレンジとなる電動SUVでの競技に向け、開幕前からのビルドアップや、RXRがシリーズで最高レベルのパフォーマンスを発揮するのに、重要なレベルの経験と知識をもたらしてくれるはずだ」

WorldRX世界ラリークロス選手権で自身3度目のタイトルを獲得したばかりのヨハン・クリストファーソンは、RXR(Rosberg Xtreme Racing)に加入
「元ドライバーとして、ヨハンがこれまで達成したすべてを尊敬している」とニコ・ロズベルグ

■カルロス・サインツ「私のようなベテランにも、まだ未知の領域が残っていた」

 一方、まだWorldRX王者とペアを組む女性ドライバーを発表していないRXRとは対照的に、スペインの電動化企業QEVテクノロジーズは新たなエントリー名を『アクシオナ|サインツXEチーム』とし、クロスカントリーラリーを知り尽くした2名の実力者起用を発表した。

 1990年、1992年と2度にわたり、トヨタ・セリカGT-FOURでWRC世界ラリー選手権チャンピオンに輝いたサインツは、ラリーレイド転向後も2010年、2018年、そして2020年と3度も砂漠の王者に輝いている。

 そしてサインツの同郷サンズは、ワールド・トライアル・チャンピオンシップで13度、エンデューロでも5度の世界王者を獲得し、2011年から2020年までに10回のダカールラリー参戦で幾度も女性最上位を記録。2015年には総合9位でフィニッシュし、女性ライダーとして史上最高のリザルトを残した。

「まずはアクシオナの自信に感謝を述べたい。素晴らしいサポートを提供してくれた(シリーズCEOの)アレハンドロ・アガグ、そしてもちろん我々の技術パートナーであるQEVテクノロジーズも同様だ。ライアをチームメイトに迎え、スペインチームがF1王者やラリークロス王者を相手にトップで戦う要素はすべて揃ったと思う」と、自信を覗かせた“エル・マタドール”サインツ。

「これは間違いなくモータースポーツの新たな種類の競走であり、100%電動のレイド車両だけでなく、フォーマットのおかげもある。男女平等があり等しく双方のパフォーマンスが重要になり、ともに勝敗を左右するチャンピオンシップはとても独創的で包括的だ。私のようなベテランにも、まだ未知の領域が残っていたよ!」

 その帝王とペアを組むサンズも「これは私にとって間違いなく重要なステップで、かつてないやる気と興奮に満ち溢れている」と、シリーズへの意欲を語った。

「かねてから4輪への興味は持っていたし、カルロスと組めるなんて最高のプレゼントよ。尊敬すべき最高のチームメイトから多くを学び、期待に応え、チームを助けるため迅速に適応したい。男女で構成されるチームや、持続可能性への配慮と概念は、この先もあらゆる場面でますます進行すると思うわ」

 新生エクストリームE最初のシーズンは、2021年3月20~21日にサウジアラビアで開幕し、気候変動の影響が色濃い世界5カ国の地域で争われる。

FIA RX2eなど電動モータースポーツの分野で存在感を示すQEV Technologiesが、オール・スペインの体制で挑む
わずかなTCR車両の経験を持つものの、ライア・サンズにとってはこれが本格的な4輪競技初挑戦となる