WRC:雪化粧したモンツァで“最後の戦い”始まる。シェイクダウンはヒュンダイがワン・ツー

 12月3日、WRC世界ラリー選手権の2020年シーズン最終戦となる『ラリー・モンツァ』がミラノ郊外のモンツァ・サーキットで開幕。雪化粧した伝統のサーキットを舞台に行われたシェイクダウンでは、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がベストタイムをマークした。

 1978年に初めて実施されて以来、WRCのシリーズ戦としては初開催となるラリー・モンツァ。F1などでもお馴染みのモンツァ・サーキットをメイン会場とするこのターマック(舗装路)ラリーは、新型コロナウイルスの影響を大きく受けたシリーズの第7戦、シーズン最終戦に組み込まれている。

 そんなWRCモンツァは3日、前日に降り積もった雪が残るなかで最初の走行セッションとなるシェイクダウンを迎えた。
 
 気温は氷点下、トラック上の雪は溶けたものの霧が出ている難しいコンディション。この状況のなか、ランキング3番手からの逆転チャンピオンを狙うヌービルは走行1本目から速さをみせ、ライバルたちが3分10秒台後半から20秒台のタイムを記録するなかで3分08秒7というタイムをマークしてみせる。

 過去複数回ラリー・モンツァを戦っているベルギー人のタイムは、最後まで破られることなくタイミングシートの最上段に鎮座することに。このタイムに続いたのは3回目の走行で3分10秒8を記録した僚友のオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)だった。
 
 3番手はランキング首位から14点差の選手権2番手につけるセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)で、タイムは3分11秒5。4番手にカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が入り、サーキットでの経験を活かしたいと事前に語っていた勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が5番手となった。

「面白い週末になるだろう。シェイクダウンは非常に滑りやすい路面だったが、ラリーではさらにスリッピーになると思う」とヌービル。

 そのヌービルに24ポイント差をつけて選手権をリードしているエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)は1本目の走行でスピンを喫し、マシン後部にダメージを負う不安な立ち上がりに。

 幸いダメージは大きくなく、その後も3回出走した彼は、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)、オーレ・クリスチャン・ベイビー(ヒュンダイi20クーペWRC)、ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)に次ぐ9番手で最終戦のシェイクダウンを終えている。

 降雪により急きょスノータイヤの使用が認められることになったWRCモンツァ。そのオープニングステージとなるSS1は12月3日(木)14時08分(日本時間22時08分)から行われる予定だ。

ランキング3位から逆転チャンピオンを狙うティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)

■2020年WRC第7戦モンツァ シェイクダウン結果

Pos. No. Driver Machine Gap

1 11 T.ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC 3’08.7

2 8 O.タナク ヒュンダイi20クーペWRC +2.1

3 17 S.オジエ トヨタ・ヤリスWRC +2.8

4 69 K.ロバンペラ トヨタ・ヤリスWRC +3.7

5 18 勝田貴元 トヨタ・ヤリスWRC +4.1

6 44 G.グリーンスミス フォード・フィエスタWRC +4.3

7 96 O.ベイビー ヒュンダイi20クーペWRC +4.4

8 6 D.ソルド ヒュンダイi20クーペWRC +6.3

9 33 E.エバンス トヨタ・ヤリスWRC +6.5

10 3 T.スニネン フォード・フィエスタWRC +6.7

11 4 E.ラッピ フォード・フィエスタWRC +7.0

※リザルトは編集部集計

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