作家直伝! コロナ禍と上手く付き合う“空想のチカラ”

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。11月10日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ショートショート作家の田丸雅智さんが“空想のチカラ”について述べました。

◆空想のチカラを養うショートショートのススメ

田丸さんは"ショートショート”と呼ばれる短くて不思議な小説を書くことを生業にしていますが、「コロナ禍で思うようにならなかったり、閉塞感があったり、そこを打破していくには"空想のチカラ”が使えると思う」と言います。そして、「ショートショートをぜひ読んでほしいし、自分でも書いてみませんか?」と提案。

とはいえ、小説を書くのは簡単ではありません。そこで田丸さんは全国各地で開いているショートショートの書き方講座の内容を紹介。ショートショートを書くには3ステップあり、ステップ1は「不思議な言葉を作る」。ステップ2は「不思議な言葉から想像を広げていく」。そして、ステップ3は「想像したことを短い物語(作品)にまとめる」こと。

ステップ1では、最初に「名詞を探して書いてみよう」と田丸さん。これは何でもいいらしく、例えば「鉛筆」、「タコ」、「太陽」、「傘」など4つぐらい挙げます。次にそのなかから1つ選び、「太陽」であれば「発電に使える」や「皆既日食」、「ぽかぽかする」など、その名詞から思いついたことを自由に書き出します。

そして、ここから不思議な言葉を作っていきます。その方法は「言葉を組み合わせること」。それも思いついた言葉を先、そこに最初に選んだ言葉以外の名詞を組み合わせます。例えば"発電に使えるタコ”、"ぼかぼかする傘”といったように「不思議な言葉を自動的に作るのが、ステップ1」と解説するとMCの堀潤らは興味津々。

ステップ2は「それはどういうものなのか」や「いいところ」、「悪いところ」など想像を広げていくのですが、「これは空想や妄想炸裂でいい」と田丸さん。例えば、"発電に使えるタコ”であれば、「電気うなぎをどう発展させれば発電に使えるタコになるかなど、空想してみる」、いいところは「家で飼ったら電気が取り放題」で悪いところは、「便利だからと使い過ぎるとゆでダコになる」など。

そして、ステップ3でこれらを物語にまとめていきます。実際に田丸さんが、「発電生物」と題し、"発電に使えるタコ”についてまとめた物語を披露すると、一同拍手喝采。

◆日常が豊かに…空想のチカラのメリット

総じて田丸さんは、「読むのも楽しいけど、書くことを通じて"空想のチカラ”を付けていただきたい」と訴えます。

そのメリットは数多く、1つは「日常が豊かになること」。「この話を読んだ後に実際のタコを見たとき、"電気タコかも”と頭をよぎると思う。それを空想・妄想と切り捨てるのは簡単だけど、それって楽しくないですか?」と提起します。

さらには、不思議な言葉を考え広げていくのは右脳的な作業、それをまとめていくのは左脳的な作業であることから「脳トレにもなる」と田丸さん。「楽しくて、脳トレになって、日常の見方が変わる。ぜひショートショートを書いてみましょう。(道具など)何もいらないので!」とおすすめしていました。

田丸さんの話を聞き、堀は「何も取っ掛かりがないと想像し始めてもコロナ禍では不安なほう、暗いほうに向いてしまい、余計鬱々となりそうですが、これは外に広がっていく感じでいいですね!」と絶賛。

一方、立命館大学准教授で社会学者の富永京子さんは早くも実践し、自身の空想を披露。

「溶けるベッド」の物語を自作し、「論文とは違って、現実なんだけど現実じゃないような……普段なかなか想像力を羽ばたかせられないから、大人がやるとすごくいい感じがする」と笑顔をのぞかせていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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