原核生物のUV耐性が概日リズムを示すことを発見

2020.12.04
早稲田大学

本発表の詳細は、早稲田大学のホームページをご覧ください。
https://www.waseda.jp/top/news/71085

■発表のポイント
・シアノバクテリアの紫外線(以下UV)耐性が24時間周期で調節されていることを発見した。
・シアノバクテリアはUV耐性とグリコーゲン代謝活動を時刻に応じて巧みに使い分けていることを示した。
・体内時計の持つ性質が、生物種を越えて原核生物にも共通していることを明らかにした。

■概要
早稲田大学理工学術院の川﨑 洸司(かわさき こうじ)氏(研究当時:早稲田大学先進理工学研究科博士後期課程)および岩崎 秀雄(いわさき ひでお)教授の研究グループは、シアノバクテリアのUV耐性が24時間周期で調節されていることを発見しました。
今回、研究グループはシアノバクテリアにUVを照射した後に細胞を暗所に移すという手法により、シアノバクテリアのUV耐性が24時間周期で調節されていることを発見するとともに、シアノバクテリアがUV耐性とグリコーゲン代謝活動を時刻に応じて巧みに使い分けていることも示しました。今回の発見は、様々な生物種で保存された適応戦略が原核生物にまで共通していることを示しており、背後の分子機構やその生理的意義、体内時計(概日時計)の進化的起源を理解する上で重要な知見となることが期待されます。
本研究成果は、2020年11月30日(月)に米国生物学専門誌(オープンアクセス誌)『PLOS Genetics』のオンライン版で公開されました。

■論文情報
雑誌名:PLOS Genetics
論文名:Involvement of glycogen metabolism in circadian control of UV resistance in cyanobacteria
(シアノバクテリアにおけるUV耐性の概日制御へのグリコーゲン代謝の関与)
DOI:https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1009230