日向で無農薬野菜など販売 移住者の成澤さん企画

日向市東郷町の古民家であった「ORGANIC MARKET東郷」

 自然環境や生態系保護を意識した野菜や作品などを扱う「ORGANIC MARKET東郷」(実行委主催)は11月29日、日向市東郷町下三ケの古民家であった。5月に同所に移住したミュージシャンの成澤けやきさん(44)が、自然豊かな地域の将来をつなぎたいと企画。町内外の出店者が無農薬野菜や加工品などの販売ブースを並べ、家族連れらでにぎわった。
 世界各国で活動してきた成澤さんは昨年10月、日本に帰国。3カ月に及ぶ国内ツアー中に、同所の古民家を訪れた。山に囲まれた環境の良さに加え、地域おこしにも関心があり、東郷町への移住を決めた。
 成澤さんは、近所に野菜を無農薬で栽培する人がたくさんいることに着目。野菜作りを習うなど交流を深めるうち「地元の自然を守るため、できることはないか」と考えるように。30~60代の地域住民と同マーケットの実行委員会を立ち上げた。
 イベントでは廃油せっけん作り体験や、子供服のフリーマーケットも。古民家ではコンサートや野菜を使った料理対決もあった。
 近くに住む川上妙子さん(73)は、家庭菜園で作ったダイコンやハクサイなどを販売。「普段は自分しか食べない野菜をいろんな方に手にとってもらい、うれしかった。こんな田舎に多くの人が来たことで地元も活気づいた」と笑顔だった。
 イベントは今後も継続する考え。成澤さんは「それぞれが作る無農薬野菜を集めてブランド化すれば、地域内の栽培面積が広がり、環境や生態系保護につながる。”オーガニック共和国東郷”を目指したい」と語った。

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