モイネロはMVP級の働き、バレンティンは大苦戦に…助っ人診断【ソフトバンク編】

ソフトバンクのモイネロ(左)とバレンティン【写真:荒川祐史】

メジャー通算54勝のムーアはその力を発揮

ソフトバンクの4年連続日本一で幕を閉じた2020年のプロ野球。シーズンオフに入り、各球団は本格的に来季の戦力編成に着手している。すでに来季の新助っ人が決まった球団もあり、今後は続々と発表されていくことだろう。

では、12球団の助っ人外国人は今季、どれほどの活躍を見せたのだろうか? 各球団の助っ人たちの成績を検証し、その働きを診断していってみよう。今回は3年ぶりにパ・リーグを制したソフトバンクだ。

○投手
カーター・スチュワートJr.(1億1000万円)
1軍登板なし

リバン・モイネロ(1億5000万円)
50試合2勝3敗1セーブ38ホールド 防1.69

マット・ムーア(4億円)
13試合6勝3敗0セーブ0ホールド 防2.65

リック・バンデンハーク(3億円)
5試合2勝2敗0セーブ0ホールド 防6.92

デニス・サファテ(5億円)
1軍登板なし

シーズンのチーム防御率が驚異の2.92をマークしたソフトバンク。その鉄壁の投手陣の中でもMVP級の活躍を見せたのがセットアッパーのモイネロだ。50試合に登板して38ホールドをマークして最優秀中継ぎのタイトルを獲得。防御率は1.69、奪三振率は14.44と圧巻の成績を残した。

メジャー通算54勝の実績を引っさげて来日したムーアは開幕直後にふくらはぎの怪我で離脱したものの、復帰後はその力を遺憾無く発揮。150キロを超える真っ直ぐをコーナーに投げ込み、ローテの一角として6勝、防御率2.65の成績を残した。日本シリーズでは第3戦で7回ノーヒットと驚きの投球も見せた。

デスパイネは膝の故障もあり、2度の離脱があった

一方で来日6年目を迎えたバンデンハークは怪我の影響と外国人枠の兼ね合いもあって、わずか5試合の登板に終わった。サファテは股関節の故障で再手術を受けて1軍登板なし。元米ドラフト1巡目のスチュワートも1軍登板は無かった。

○野手
ジュリスベル・グラシアル(2億円)
69試合256打数71安打10本塁打35打点 .277

アルフレド・デスパイネ(4億円)
25試合85打数19安打6本塁打12打点 .224

ウラディミール・バレンティン(5億円)
60試合191打数32安打9本塁打22打点 .168

野手ではグラシアル、デスパイネのキューバ人助っ人2人と、今季ヤクルトから移籍し、外国人枠から外れたバレンティンの3人が在籍。グラシアルとデスパイネは新型コロナウイルスの感染拡大により、来日が遅れて、1軍に復帰したのは8月中旬になってからだった。

グラシアルは相変わらずの勝負強さを発揮。9月半ばから10月にかけて調子を落とす時期もあったが、打率.277、10本塁打とまずまずの成績を残した。特にリーグ優勝に向けて加速した10月半ば以降は4番としてチームに貢献した。

デスパイネは膝の故障を抱え、再来日後も2度の離脱があり、わずか25試合の出場にとどまった。それでもポストシーズン、日本シリーズでは存在感を発揮した。鳴り物入りで加入したバレンティンは、大きく期待を裏切る結果に。60試合で打率.168、9本塁打に終わり、シーズン終盤は出場選手登録からも外れていた。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2