ネットの差別投稿 1万1千件に対し調査は4分の1 川崎市の対応後手

 川崎市の差別禁止条例に基づくインターネットの差別投稿調査を巡り、市の対応がスムーズに進んでいないとする指摘が市議から上がった。4日に開かれた市議会第6回定例会の代表質問で石川建二氏(共産)は、市が調査を済ませたのは対象の4分の1にとどまると指摘、対応の強化を求めた。

 石川氏によると、市が今年10月末までに調査対象とした1万1168件のうち、市の調査が完了したのは2956件。在日コリアンの女性が申告した338件は済ませた一方、委託業者分の報告は1万830件のうち約24%に当たる2618件にとどまるという。

 未完了分の対応について、向坂光浩市民文化局長は「順次、確認を行っており、年内の確認終了をめどに作業を進めている」と説明、市差別防止対策等審査会に諮問するか否かについては言及しなかった。石川氏の審査体制や担当部署の拡充を求める声に対しては、「事例の蓄積で審査精度の向上と作業の効率化を図りながら業務を進める必要がある。今後、その検証をしたい」と述べるにとどめた。

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