陸上日本選手権・女子5000 廣中2位、五輪持ち越し

20歳の進化に貴重な経験

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【女子5000メートル】残り1200メートル付近でレースを引っ張る廣中(先頭)。廣中の左隣は優勝した田中

 陸上の日本選手権長距離種目は4日、大阪市のヤンマースタジアム長居で行われた。女子5000メートルは田中希実(豊田自動織機TC)が1位、長崎商高出身の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)は2位。廣中の五輪代表権獲得はならなかった。

 女子5000メートルの五輪参加標準記録を切っている廣中と田中。五輪代表が決まる注目の優勝争いは、2人の一騎打ちでラスト1周に入った。結果はここまで先頭で引っ張ってきた廣中を、田中がバックストレートで抜き去ってトップゴール。廣中の目からは思わず涙がにじんだが、持ち味の積極的な走りを貫いたことに悔いはなかった。「自分らしく、自分のペースで押した結果だから」
 今回のレースを前に、照準を合わせたのは11月下旬の全日本実業団対抗女子駅伝。スタミナをつけてスピードを磨き、できる限りの準備をして臨むと、狙い通りに1区(7.6キロ)で区間賞を獲得した。チームをV2に導く圧倒的な速さ、強さ-。その勢いのまま、勝負の日を迎えた。
 2番手で様子をうかがい、1000メートルを3分6秒で通過した。「ペースが遅い。後半勝負で対応できるようにしないと」。そう考えながら、この日の目標を再確認した。「順位やタイム、相手は気にせずに今の全力を出し切る」。2400メートル手前で先頭に出てレースをけん引。田中は終盤までその後ろにつき、脚を残した。覚悟していた最後のスパート勝負。あと一歩、届かなかった。
 ゴール後、何とか涙を隠しながら「ありがとうございました。負けて悔しいです」と一学年上のライバルに伝えた。そして、心に誓った。「また一段と強くなった姿を見せるんだ」。その舞台は五輪代表最終選考となる見込みの日本選手権(来年6月・大阪)。これからの日本女子長距離界を担う20歳はこの日、進化を加速させるための貴重な経験を積んだ。