ヤンキースは先発投手補強を急がない? 田中の動向にも影響か

今オフのヤンキースは田中将大、ジェームス・パクストン、J・A・ハップの3人がフリーエージェントとなり、先発投手の補強が急務と見られていた。ところが、他球団が徐々に先発投手の補強を進めていくなか、ヤンキースはここまで目立った動きを見せていない。「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマンが「ヤンキースは先発投手を補強する必要性に対処するために急いでいる様子はない」と伝えているように、ヤンキースは先発投手の補強を急ぐつもりはないようだ。

シャーマンは「ヤンキースが先発投手市場で非常におとなしくしているため、代理人たちは驚いている」とも伝えている。積極的に先発投手の補強を行うと見られていたヤンキースが予想に反する動きを見せていることは、多くの関係者を驚かせているようだ。先発投手では、すでにロビー・レイ(ブルージェイズ)、ドリュー・スマイリー(ブレーブス)、チャーリー・モートン(ブレーブス)、マイク・マイナー(ロイヤルズ)が契約を決めている。

ヤンキースは昨オフに9年3億2400万ドルでゲリット・コールを獲得しており、今季10試合に先発したジョーダン・モンゴメリーと合わせて今季の先発ローテーションのうち2人が来季もチームに残る。出場停止処分を受けていたドミンゴ・ヘルマンとトミー・ジョン手術を受けたルイス・セベリーノが復帰し、若手有望株のデイビー・ガルシアとクラーク・シュミットがローテーションに加われば、先発の頭数を揃えることはできる。そうした事情もあり、ヤンキースは市場の動きを静観しているのかもしれない。

とはいえ、2009年以来のワールドシリーズ制覇を目指すためには、コール以外にも信頼できる先発投手が必要であり、ヤンキースはフリーエージェント市場ないしトレード市場で先発投手を1~2人獲得することが有力視されている。もちろん、田中との再契約も選択肢に含まれるだろう。とはいえ、ヤンキースが静観しているあいだにも市場は動き続けており、ヤンキースが先発投手の補強を急ぐ姿勢を見せないことは、田中の動向にも影響を与えそうだ。

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