【気になる一言】「まるでおとぎ話のようだった」フェルスタッペンのレッドブルデビュー戦を振り返ったホーナー代表

 2020年F1第16戦サクヒールGPは、フリー走行1回目でウイリアムズからメルセデスのステアリングを握り直したジョージ・ラッセルが、いきなりトップタイムをマークするというセンセーショナルな滑り出しで始まった。

 そのフリー走行1回目を終えた直後に行われたFIA会見の第2部に登場した、レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表には4年前に関する質問が飛んだ。それは2016年の第5戦スペインGPでトロロッソから移籍してきたマックス・フェルスタッペンについてだ。

 あのとき、フェルスタッペンもまたレッドブルでのデビューレースでセンセーショナルな走りを披露し、初優勝を果たした。当時の様子をホーナーは次のように振り返った。

「確かにあのときのマックス(フェルスタッペン)も、今回のジョージ(ラッセル)のようにシェイクダウンなどなく、ぶっつけ本番のグランプリだった。それでもマックスはマシンに乗った瞬間から私たちを驚かせたよ」

「予選Q1とQ2では実際、チームメイトのダニエル(リカルド)より速かった(Q1はリカルドより0.171秒速い3番手、Q2はリカルドより0.407秒速い3番手だった)。Q3は路面の上がりしろを的確に読んだダニエルが、しっかりとフロントウイングを機能させて素晴らしいラップを引き出しマックスを逆転した(Q3はリカルドがフェルスタッペンに0.407秒差つけて3番手)」

「レースでは異なる戦略を採った。ダニエルは2ストップが良いと判断し、マックスはキミ(ライコネン/フェラーリ)とおなじ1ストップ作戦にし、最終的にマックスがレースに勝った」

「驚いたのはレッドブルでの1戦目というだけでなく、その年齢だ(セバスチャン・ベッテルの最年少優勝記録を大幅に更新する18歳227日での初優勝)。その成熟度とコントロールは、まるでおとぎ話のようなデビューだった」

2016年F1第5戦スペインGP レッドブルデビュー戦で優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
2016年F1第5戦スペインGP レッドブルデビュー戦で優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

「もちろん、ジョージがマシンコントロール技術に長けたドライバーだということは疑う余地はない。彼は以前からメルセデスでテストした経験があり、スタッフを知っている。そして、彼が乗るのは現在最強マシンだ。したがって、今週末は彼にとって大きなチャンスであることは間違いない」

「ジョージの評価は、バルテリ(ボッタス)がベンチマークになるだろう。そして、トト(ウォルフ/メルセデスチーム代表)は必要に応じてルイス(ハミルトン)との契約交渉でそれ(ラッセルの存在)を利用するんじゃないかな。いずれにしても、若いドライバーがチャンスを得て、羽ばたく姿を見るのは素晴らしいことだよ」

 ちなみに前日の木曜日の会見で、レッドブルでのデビュー戦となった2016年スペインGPの件を尋ねられたフェルスタッペンは、当時を次のように振り返っている。

「緊張とかそんなことより、週末はとにかく楽しかった。だってマシンがまったく違うんだ。とにかく速い。そして運転が楽だった。まさに『オー・マイ・ゴッド』という感じだったね」

2020年F1第16戦サクヒールGP木曜会見 笑いながら質問に答えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第16戦サクヒールGP金曜会見 フェルスタッペンのレッドブルデビュー戦を振り返ったクリスチャン・ホーナー代表(レッドブル・ホンダ)

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