在韓米軍、ソウルに続いて釜山を「立ち入り禁止」 新型コロナ感染対策を強化

By Kosuke Takahashi

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、在韓米軍司令部は12月5日午後6時から、韓国第二の都市、釜山(プサン)を「立ち入り禁止」にした。同司令部は既に11月21日から、ソウル大都市圏を同じく「立ち入り禁止」にしており、ここにきて韓国の主要都市での感染対策をぐっと強化している。

釜山への立ち入り禁止を命じた在韓米軍の地図(フェイスブックから)

また、首都ソウル北方にある京畿道東豆川市の米陸軍基地キャンプ・ケーシーとキャンプ・ホビーでの人の出入りを禁じた。このほか、ソウル近郊にある京畿道高陽(コヤン)、議政府(ウィジョンブ)、南楊州(ナミャンジュ)、慶尚北道永川(ヨンチョン)、江原道鉄原(チョルォン)も「立ち入り禁止」にした。

地図上の赤色部分が在韓米軍が「立ち入り禁止」に定めた地域。青色部分が午後9時以降の外食のテイクアウトのみが許された地域(フェイスブックから)

これに先立ち、在韓米軍司令部は11月21日から、ソウルにある龍山(ヨンサン)基地を含む「エリア2」を立ち入り禁止にしている。「エリア2」にはソウルや仁川、京畿道の一部が含まれている。

地図上の赤色部分が在韓米軍が「立ち入り禁止」に定めた地域。ソウルや仁川、京畿道の一部が含まれている(フェイスブックから)

同司令部は、上記の地域に住んでいたり、必要な任務に従事したりしている場合のみ、行き来ができると説明している。

同司令部は現在、軍の施設内にあろうが、施設外にあろうが、サウナと蒸し風呂室の利用を韓国全土で禁止している。韓国の特徴をとらえた感染対策措置と言える。

在韓米軍司令部は現在、軍の施設内にあろうが、施設外にあろうが、サウナと蒸し風呂室の利用を韓国全土で禁止している。韓国の特徴をとらえた感染対策措置と言える。

感染拡大の勢いが一向に衰えないなか、韓国政府はコロナ対策を強化しているが、在韓米軍はその動きに追随することになった。韓国の中央防疫対策本部は6日、国内の新型コロナウイルス感染者数が4日に続き、再び600人台になったと発表した。韓国の聯合ニュースによると、そのうち、首都圏の合計が470人に達し、ソウル市が253人、京畿道が176人などとなった。首都圏以外の地域では、釜山市が34人に及び、他地域に比べて突出している。

感染再拡大を受け、ソウル市は4日、夜9時から朝5時までの商業施設の営業を禁止した。ソウルの感染者数は、国内感染者数3万7000人超の約4分の1を占めている。

ソウルにいる韓国人の記者仲間は「今はソウルと京畿道の感染状況が深刻で、対応が強化されている」と話した。例えば、ソウルではコーヒーショップ内でコーヒーを飲むことができず、テイクアウトだけ。このため、ソウルの一部地域では、スターバックスが最近、配達を始めたという。ただし、その一方で、レストラン内での食事は可能となっているという。

米軍の感染対策をめぐっては、在日米陸軍司令部が12月3日から、150キロ圏内の関東平野にある基地外のレストランや食堂、飲食店での外食を禁止する指令を発令した。また、首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の人口密集地を「立ち入り禁止」に定めた。

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© 高橋浩祐