室井佑月が夫の衆院選出馬で不可解な『ひるおび!』降板! 麻木久仁子が「夫が大臣のキャスターは…」と滝川クリステルに疑問

『ひるおび!』を降板した室井佑月(撮影・編集部)

作家の室井佑月の『ひるおび!』(TBS)降板が波紋を呼んでいる。降板が明らかになったのは12月3日。木曜コメンテーターを務める室井が番組に姿をあらわすことなく、江藤愛アナウンサーが室井のメッセージをこう代読した。

「公平性を担保すべきとのことで番組の皆さまとご相談の上、『ひるおび!』の出演は控えさせていただくことにいたしました」

室井は今年5月、前新潟県知事の米山隆一と結婚したが、その米山前知事が11月27日、次期衆院選で新潟5区に立候補することを正式に表明した。そのため、選挙出馬予定者の配偶者は情報番組のコメンテーターとして公平でなくふさわしくない、という判断があったらしい。

だが、これ、どうも室井の自発的な降板ではないようだ。翌4日、室井本人が『大竹まことゴールデンラジオ!』(文化放送)に出演した際、「けっこう私もびっくりした」「知らなかったんだけど、番組ルールなんだって」と語っていたが、番組サイドから降板を迫られたということらしい。

だとしたら、これ、おかしくないか。まず原則論を言えば、妻は家族であっても別人格。応援演説をしたというなら別だが、本来、妻の表現や言論活動と夫の政治活動は関係ない。

加えて、その選挙じたいが、いつ解散があり、いつ行われるのかさえわかっていないのだ。公示後ならまだしも、夫が選挙に出る意思を示したというだけで、家族のテレビ出演を制限するというのは明らかに異常だろう。

しかも、決定的におかしいのは、室井だけが夫の選挙出馬による降板の対象になっていることだ。

実は、同じく情報番組のコメンテーターをしている麻木久仁子がこんなツイートをして今回の室井の降板劇に疑問を呈していた。

〈本人ではなく家族が立候補するからテレビに出られないなら、例えばお父さんが大臣のアナウンサーさんとか、夫が大臣のキャスターさんとかどうなるの? 大臣、出ますよね? 次の選挙〉

「お父さんが大臣のアナウンサー」というのは『ひるおび!』の放送局でもあるTBSのアナウンサー・田村真子のこと、「夫が大臣のキャスターさん」というのは滝川クリステルのことだと思うが、まさしく正論だろう。

まず、田村アナは父親が政府のコロナ対応の責任者である田村憲久厚生労働大臣だ。田村厚労相は自民党所属の衆院議員でもあるので、当然、米山元知事が出馬宣言した次の衆院選には出馬すると思われる。だが、娘の田村アナは、TBSの『まるっと!サタデー』でMCを務めているほか、『ひるおび!』の後に放送されている情報番組『ゴゴスマ~GoGoSmile』(CBCテレビ)や『news23』といった情報番組や報道番組に出演し、政治やコロナに関するニュースを読んでいる。11月27日には、父の田村厚労相関連のニュースを読み上げたほどだ。

●室井佑月は政権に批判的で夫の米山前知事も野党からの出馬だから降板に追い込まれた

小泉進次郎環境相と結婚した滝川クリステルも同様だ。

小泉環境相も次の選挙には必ず出馬すると思うが、滝川はいまもTBS系『教えてもらう前と後』(毎日放送)といった情報バラエティ番組のレギュラーMCを務め、進次郎氏の話題を口にすることもあるし、池上彰をゲストに社会問題を扱うこともある。

今回の『ひるおび!』ルールに従えば、滝川も衆院議員である小泉と結婚した時点で情報番組はすべて降板しなければならないはずだが、そんな対応は一切していない。

そう考えると今回の室井の降板劇はあまりに不自然としか言いようがない。その舞台裏についてTBS関係者がこう解説する。

「今回の措置は明らかに室井さんだからでしょう。室井さんは番組でも安倍政権批判、そして菅内閣になっても鋭い政権批判を繰り返してきました。そのたびネットでは炎上し、番組やTBSにもネトウヨからの抗議も多かった。しかも、『ひるおび!』のチーフプロデューサーはかなりネット右翼的な思想をもっているので、前々から室井さんを切りたがっていたんです。ただ、室井さんは『ひるおび!』スタート当初からのコメンテーターですし、政治的発言を理由に切ることもできない。そこで、少し前から苦肉の策として午前のみの出演にするかたちにしていた。そんなところに今回、夫の米山さんが出馬表明をしたので、『すぐに降ろせ』となったんですよ」

断言してもいいが、室井が政権に擁護的で、夫が自民党から出馬を宣言していたとしたら、こんな措置には絶対になっていない。せいぜい公示期間中の出演見合わせくらいで終わっていたはずだ。

安倍政権以降、テレビ局への政治圧力とそれを受けた局上層部の忖度や自主規制によって、政権に批判的なキャスターやコメンテーターたちが次々とテレビから姿を消してきたが、結局、今回の室井の『ひるおび!』降板劇もその延長線上に起きたということなのだろう。
(編集部)

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