小浜「湯太夫邸」リニューアル 長大生が集客アイデア 年間3万人目指す

小浜歴史資料館のリニューアルに取り組む山東理事(左)とゼミ生。背後は本多湯太夫の旧邸宅=雲仙市、同館

 長崎県雲仙市小浜町の小浜温泉街にある小浜歴史資料館(通称・本多湯太夫(ゆだゆう)邸)で5日、年間来館者3万人を目指すリニューアル事業のPRイベント「本多湯太夫邸プレオープン」が開かれ、観光客でにぎわった。
 同館敷地には、江戸時代から小浜温泉の管理者「湯太夫」として、温泉街発展の礎を築いた本多家の旧邸宅(1844年建築)や資料館、源泉の井戸などがある。現在は市の所有施設で、年間来館者数は3千人台で推移。今年4月から一般社団法人オバマストリート(草野有美子代表理事)が指定管理者になり、来館者の増加を図っている。
 リニューアルには長崎大経済学部の西村宣彦教授のゼミが協力し、3年かけて年間来館者を3万人に増やす目標を設定。ゼミ生4人が資料館に通い、同法人の山東晃大理事(33)と意見を交わしながら集客策を検討してきた。
 雲仙ほうじ茶や島原半島産の菓子などを扱うショップを敷地内に設け、旧邸宅の縁側を、飲食できる休憩所として開放。旧小浜鉄道の駅構内などが再現された資料館は“インスタ映え”するフォトスペースとしてPRする準備を進め、この日のイベントでお披露目した。
 今後はショップの商品充実や、小浜伝統の製塩所再現などを計画。同ゼミ生の有地なるみさん(22)は「歴史のあるすてきな建物なので、お客が少ないのはもったいない。立ち寄って、くつろげる場所を目指す」。山東理事は「新型コロナ禍で十分な準備期間が取れなかったが、学生のアイデアで良い方向に進んでいる」と話した。

旧小浜鉄道の展示コーナーでSNS投稿の写真を撮るゼミ生=雲仙市、小浜歴史資料館

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