【気になる一言】メルセデスF1、同時ピットストップの指示は「無線の技術的な問題」で伝わらず

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 今シーズン、最も厳しい表情でトト・ウォルフ代表はF1第16戦サクヒールGPのレース後の会見に出てきた。ピットストップでいったい何があったのか。

「無線システムの問題で、一方のタイヤクルーに2台同時ピットストップという指示が届いていなかった。そのことを我々はマシンがピットインしてくるまで気がつかなかった。そのため、ピットクルーは2台に誤ったタイヤを装着させてしまった。つまり、これはヒューマンエラーではなく、テクニカルな問題だった。もちろん、なぜそのような問題が起きたのかは、これから調査する」

 そもそも、セーフティーカーが導入されるまで、3番手以下に大量リードを築いていたメルセデスは、ピットインしなくても勝てたはず。ステイアウトしていても、良かったのではないだろうか。

「もちろん、タイヤには問題がなかった。あのままハードタイヤを履いてレースを続けていても1-2フィニッシュしていただろう。しかし、3番手以下に大量のリードを築いていたのだから、フリーピットストップ(ピットインしてもポジションを失わずにコースに復帰できるピットストップ)をストラテジストが選択するのは、当然の判断だ」

2020年F1第16戦サクヒールGP 決勝レース62周目、メルセデスはジョージ・ラッセルとバルテリ・ボッタスの同時ピットインを行った

 メルセデスにとって、残念な結果に終わったサクヒールGP。しかし、このレースでトラブルに見舞われるまで、トップを走行していたジョージ・ラッセルの走りをウォルフは賞賛した。

「今日、我々は新しいスターが誕生する瞬間を見た。もちろん、ルイス(・ハミルトン)がこの世界でみんなのベンチマーク(目標)であることは間違いない。しかし、若い世代もしっかりと育っていることを今日、我々は確認した。彼らは若い。まだ20代前半だ。これから、もっともっと強くなる。そこには限界はない」

 なお、現時点で次戦アブダビGPにハミルトンが復帰するかどうかは決定していない。

「まずはルイスの健康状態が第一だ。もし、ルイスが陰性になって復帰できるのであれば、素晴らしいレースを披露してくれるだろう。もし、まだ陰性でなければ、ジョージが再び我々とレースする」

2020年F1第16戦サクヒールGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)