平和運動「使命感、誇り必要」 平野伸人さん、佐世保で講演

「平和運動には使命感と誇りが必要」と話す平野さん=佐世保市戸尾町、旧戸尾小体育館

 「第37回佐世保空襲を語り継ぐ市民の集い」は6日、佐世保市内で開かれ、被爆2世として長年平和運動に取り組む平野伸人さん(73)=長崎市=が「私のたどる平和活動の過去・現在・未来」と題して講演した。
 戦争や平和について考えようと、NPO法人佐世保空襲を語り継ぐ会が毎年開催。65人が耳を傾けた。
 平野さんは高校時代に被爆2世の友人が白血病で死亡し、原爆の恐ろしさを考えるようになった。1986年に「長崎県被爆二世教職員の会」を設立し、本格的に活動をスタートした。
 87年に訪韓し、在韓被爆者と交流。やけどで指がくっついたままなど、治療ができていない人が多いことを知り、日本で手術を受けてもらうための活動に力を注いだ。
 在外被爆者が被爆者健康手帳の交付を求める訴訟の支援にも奔走。小学校教員として働きながら休日は活動に費やすという生活を続け「35年間、土日は一度も遊んだことがない」と話して驚かせた。
 平和運動に若者を参加させようと「高校生平和大使」や「高校生1万人署名活動」などに取り組んだ経緯も説明。「運動には使命感と誇りが必要。継続してこそ成果が得られる」と強調した。

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