早くも大ヒット作確定!? 8月末デビュー、トヨタ ヤリスクロスの人気っぷりがハンパない!【2020年話題のクルマを振り返る】

トヨタが2020年8月31日より発売を開始したSUV「ヤリスクロス」が順調な販売の立ち上がりを示しているようだ。国内ではいま一大SUVブームが巻き起こり、大小さまざまなカテゴリーのSUVが発売されている。その中で、コンパクトジャンルにおけるヤリスクロスの優位性とは!?

トヨタ ヤリスクロス プロトタイプ

ヤリスファミリーに誕生した新型コンパクトSUV

ヤリスとデザイン上での共通性はあまりない

コンパクトカー「ヤリス」(左)とコンパクトSUV「ヤリスクロス」(右)

トヨタ ヤリスクロスは、その名の通り、2020年2月に先行発売された新型コンパクトカー「ヤリス」ファミリーに属するコンパクトSUV。車両の基礎を担う新開発のTNGA GA-Bプラットフォームや低燃費なエンジンなどはヤリスと共通する部分を多く持ち、パワートレインは1.5リッターガソリンエンジンか、1.5ハイブリッドが選択出来る。

こちらはトヨタ ヤリス

ただしボディデザインなどは全くの別物。ヤリスと比べてみても、兄弟車とは思えぬほどヤリスクロスは随分と立派に見える。アクティブかつ力強いスタイリングが個性的。

ヤリスクロスのボディサイズは全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm、ホイールベース2560mm。ベースのヤリスは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm、ホイールベース2550mmと全方位でひと回りずつ大きいが、見た目の差ほどは違わない。街中でも扱いやすい大きさだ。

ヤリスファミリー全体で合算すると、いま日本で一番売れているクルマだ!

ヤリスクロスは価格も安い。最廉価モデルで179万8000円(消費税込、以下同)から、ハイブリッドモデルでも228万4000円からだ。流行りのSUVの中では扱いやすいサイズ、そして価格も手ごろ。このことから、販売はデビュー当初より非常に順調に推移している。具体的な販売状況はどうだろうか。

自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)が毎月発表している月間の乗用車ブランド別の順位では、ヤリスファミリーの販売台数が合算で表示されている。直近の2020年11月では、ヤリス・ヤリスクロス・GRヤリスの販売総数は19921台。この数は、軽自動車も含めた国内の全乗用車の中でもダントツの1位。日本で一番売れているブランドである。

もちろんこれは量販モデルのコンパクトカー、ヤリスも含めた台数だ。実際にヤリスクロス単体だとどうだろう。

ヤリスクロス単体でもダントツの販売台数を記録

ヤリスクロス単体の販売台数を独自調査したところ、11月度に単体だけで約10000台を販売していた。自販連データによるランキングでは、2位のトヨタ ライズ(こちらはヤリスクロスよりもさらにコンパクトなSUVだ)が10627台を販売しており、これに次ぐものだ。

日産 キックス, ホンダ ヴェゼル
日産 キックス, ホンダ ヴェゼル

ちなみにライバル車と比べてみると、日産 キックス(2020年6月発表のニューモデル)が11月に4292台を販売し15位。ヤリスクロスとは異なり、キックスはハイブリッド(e-POWER)1機種のみの販売で、価格帯も200万円台後半とややお高めだ。

いっぽうホンダ ヴェゼルは2177台を売り、11月は25位に位置する。ヴェゼルは2013年12月の発売で、デビューから丸7年を経たロングセラー。そろそろ次期モデルの噂も聞こえ始めてきた。その意味でこちらもハンデはあるというものの、それにしてもヤリスクロスの圧倒的な販売台数には驚かされる。

ヤリスクロスの購入を検討しているなら急いだほうが良い理由

現在の販売状況をご覧の通り、ヤリスクロスは非常に人気が高い。トヨタのWebサイトに記された「工場出荷時期目途のお知らせ」によると、2020年11月27日時点で注文した場合、工場の出荷までにはおよそ4~5ヶ月の日数を有すると記載があり、引き続きかなりのバックオーダーを抱えていることがわかる。

2020年11月現在でもバックオーダーを抱える人気ぶり

左から)GRヤリス/ヤリスクロス/ヤリス

工場出荷から、販売店への配送や納車準備など含めるとおよそ半年近く。この12月時点で新車のヤリスクロスをオーダーしたとしても、来年2021年の4月か5月まで待つ可能性がある、ということだ。したがって現在保有するクルマで車検の残り日数が迫っている場合、早々に商談を始めないといけないケースも出てくるだろう。ヤリスクロスを検討しているなら、ただちにディーラーへ向かう必要がある。

デビューからまだ数か月しか経過していない状況だが、ヤリスクロスは既に人気ランキング上位の常連入りを果たしている。この勢いは来年2021年もしばらく止まらなさそうだ。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:茂呂 幸正・島村 栄二・TOYOTA]

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