路上のゴミ、黙々と拾って30年 三浦・力丸さん「全然苦にならない」

夜明け前から清掃に精を出す力丸さん。用具も自前だ=11月25日午前3時半ごろ、三崎公園

 観光客に人気の三浦市・三崎下町地区で、約30年間にわたって清掃活動を続けている女性がいる。捨てられたごみに心を痛め、人けのない夜明け前に毎日黙々とごみや雑草を回収している。ただ、個人では限界がある。地域ぐるみの取り組みに向け、各団体の関係者が集まった意見交換会を10日に開催して協力を呼び掛ける。

 この女性は、白石町に住む力丸則子さん(72)。日中は三崎2丁目の喫茶店で働いているほか、自宅でピアノ講師を務めている。

 清掃を始めたのは30年ほど前だ。スポーツジムに通うため三崎港のロータリー(三崎公園)でバス待ちをしていると、散乱するごみが気になって仕方なかった。海外で街をきれいにしたら治安が良くなったというニュースを見て、一人で公園付近を清掃するようになったという。

 毎日、辺りが寝静まった午前2時前に起床し、4時ごろまで2時間ほど作業する。「清掃するのが趣味になっていて、朝早くても全然苦にならない。きれいになるのが喜びで、始めた頃に比べればごみもだいぶ減ってきた」と手応えを感じている。

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