安田顕主演で重松清の名作「きよしこ」をドラマ化。Sexy Zone・菊池風磨も出演

NHK総合では2021年3月20日に、重松清氏の名作をドラマ化した「きよしこ」(午後9:00)を放送。安田顕が主演を務め、西田尚美、吹越満、Sexy Zone・菊池風磨、福地桃子、千原せいじ、貫地谷しほり、眞島秀和らが出演する。

同作は、重松氏の同名短編小説集を初めて実写化。思っていることを上手に話すことができなかった吃音の少年が、さまざまな人と出会い、別れる中で「伝えること」を諦めない大人に成長していくストーリー。表題の「きよしこ」のほか、孤独なおっちゃん(千原)との交流を描いた「どんぐりのココロ」、好意を寄せてくれる地元の女子大生(福地)とも家族とも離れた東京への進学を選ぶ決意と旅立ちを描いた「東京」の3編を中心に、大人になった白石清(安田)が、いまだ吃音を抱えながらも妻・早織(西田)との温かい生活の中、1冊の本を書き上げるまでを描き出す。

小説家の白石(安田)のもとに吃音の息子を持つ母親から「吃音なんかに負けるなと息子を励ましてもらえないか」という手紙が届いた。白石は幼い頃に思いをはせ、担当編集者の野村(菊池)に「個人的な話を書かせてほしい」と告げる。先輩編集者の室井(吹越)はその言葉の意図を察していた。白石は少年時代から吃音を抱えていた。特にカ行とタ行が苦手で自分の名前「きよし」さえつっかえてしまう。父・賢一(眞島)の仕事の都合で何度も転校をし、自己紹介のたびにクラスメートから笑われる経験があったのだ。

小学1年、初めての転校でそのつらさを感じたきよし。母・曜子(貫地谷)からクリスマスプレゼントに何を欲しいか聞かれた時も、本当は魚雷戦ゲームが欲しかったのに、“ぎ”で始まるために言いだせず、「飛行船でいいのね」と念を押されても、答えられなかった。友だちにも家族にも思っていることを言葉にして伝えられないきよしは、なんでも話せる友だちが欲しかった。聖歌の「きよし この夜」を「きよしこ の夜」と勘違いして想像した“きよしこ”が理想の友だちだ。いつか子ども部屋の窓をたたいて現れてくれないか、“きよしこ”とならスラスラしゃべれるのに…。

しかし、現実のきよしのクリスマスは、子ども会で意地悪をされ、家では父親から飛行船をプレゼントされる、悲しい思い出の日となってしまった。自分の思っていることを伝えられないもどかしさに苦しむきよしの前に、“きよしこ”が現れる。

© 株式会社東京ニュース通信社