長崎の飲食店でクラスター 接待伴う店の従業員ら 市内では最多12人

 長崎市は10日、市内の男女12人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。無症状か軽症という。このうち、6人は接待を伴う市内の同じ飲食店の従業員ら。市は、1カ所で感染者5人以上のクラスター(感染者集団)が発生したとみて、来店者ら接触者の把握を急ぎ、検査を進める。1日に12人の感染が判明したのは、同市では過去最多。クルーズ船を除き、長崎県内の感染確認は計290人になった。

 12人の感染判明を受け、市役所で会見した田上富久市長は「今後も感染が広がる可能性はある。県外との行き来や会食時に気を付けることで(感染)『第3波』を防ぐことができる」と注意を呼び掛けた。
 クラスターが発生した店で10日に感染が公表された6人はいずれも年代、性別非公表。うち2人は今月1日から3日にかけ、せきや嗅覚異常などの症状が出た。他の4人は現在、無症状という。
 7日に感染が確認された30代女性が同店の従業員で、6人は接触者としてPCR検査を受け、9日に感染が分かった。同店での感染確認は計7人となった。これとは別に、8日に感染を確認した別の30代女性も同店と関係があった可能性があるという。店は現在休業中。来店客の連絡先は一定把握しており、それを基に市が特定を進める。
 クラスターが発生した店以外で感染が判明した6人は▽40代男性会社員▽30代女性会社員▽年代非公表の無職女性2人▽職業非公表の20代女性▽年代、性別、職業非公表の人。それぞれの関連はないという。
 市内の1日当たりの感染者数は7月12日の6人が過去最多だった。県内で1日に10人以上の感染を確認したのは8月7日の11人以来。今回の12人で市内の感染者は計97人となり、うち5人が市内で入院中。他の12人が県内の宿泊療養施設に入所したり、入院・入所を調整したりしている。


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