カムバック賞 ロイヤルズ・ペレスとロッキーズ・バードが選出

メジャーリーグ機構は日本時間12月11日、2020年シーズンのカムバック賞の受賞者を発表し、アメリカン・リーグはサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)、ナショナル・リーグはダニエル・バード(ロッキーズ)が選出された。ペレスはトミー・ジョン手術を受けて2019年シーズンを全休したが、今季は自己ベストのOPS.986を記録する大活躍で「オールMLBチーム」のファースト・チームに選出。一方のバードは7年ぶりのメジャー復帰を果たし、クローザーとしてチーム最多の6セーブをマークした。

ペレスはオールスター・ゲーム選出6度、ゴールドグラブ賞5度の実績を誇るロイヤルズの不動の正捕手だが、トミー・ジョン手術を受けて昨季は全休。今季は新型コロナウイルスに感染して7月の夏季キャンプへの合流が送れ、シーズン開幕後も視界不良で戦列を離れるなどアクシデントに見舞われたが、37試合に出場して打率.333、11本塁打、32打点、OPS.986の好成績を残し、自身3度目のシルバースラッガー賞に輝いた。

ペレスは「この賞は自分のハードワークと僕がフィールドへ戻るのを手助けしてくれた全ての人々への感謝の気持ちを込めたものだ」と喜びのコメント。「まずは家族に感謝したい。家族は本当に私のことを助けてくれた。そして、トレーニング・スタッフにも感謝したい」と多くの人々への感謝を口にした。

バードの復活劇は「今季最大の感動ストーリー」と言われている。レッドソックス時代の2010年に73試合に登板して防御率1.93を記録したが、2012年以降は故障とイップスに悩まされるようになり、2013年に2試合に登板したのを最後にメジャーの舞台から姿を消した。その後、2017年限りで引退し、ダイヤモンドバックスで選手のメンタル面をケアするスタッフに就任。しかし、現役復帰を決断し、ロッキーズとマイナー契約を結んで7年ぶりのメジャー復帰を実現させた。

8年ぶりの勝利、9年ぶりのセーブを記録するなど、23試合に登板して4勝2敗6セーブ、防御率3.65を記録。「全く別のキャリアを過ごしていたので、現役復帰の決断は簡単なものではなかった。妻と話し合って決め、妻は私をサポートしてくれた。メジャーでもう1試合だけ、もう1球だけと考えていたけれど、それ以上のものになった。本当に感謝している」と妻への感謝を述べた。

メジャーリーグ機構によるカムバック賞の表彰は2005年にスタート。ロイヤルズの選手が受賞するのは2017年のマイク・ムスターカスに次いでペレスが2人目、ロッキーズの選手による受賞も2017年のグレッグ・ホランドに次いでバードが2人目となった。

© MLB Advanced Media, LP.