ドンブロウスキー招聘のフィリーズ マッキャン争奪戦に参戦か

「ジ・アスレチック」は日本時間12月11日、フィリーズの編成本部長に世界一2度の実績を誇るデーブ・ドンブロウスキーの就任が確実となったことを報じた。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンは、ドンブロウスキーがフィリーズのフロントオフィスのリーダーとなることが正式に決まった場合、ジェームス・マッキャンの争奪戦に加わる可能性があると指摘する。マッキャンがドラフト2巡目でタイガースに指名されてプロ入りした2011年、タイガースのGMを務めていたのはドンブロウスキーだった。

捕手の補強を必要としているフィリーズの第1希望は、もちろんJ・T・リアルミュートとの再契約だ。リアルミュートは2019年2月にシクスト・サンチェス、ホルヘ・アルファロらとのトレードでマーリンズからフィリーズに加入。2019年は「オールMLBチーム」のファースト・チーム、今季は「オールMLBチーム」のセカンド・チームに選出されるなど、球界を代表する捕手として期待に応える活躍を見せた。

トップ・プロスペクトのサンチェスを放出してまでリアルミュートを獲得したという事情もあり、フィリーズは今春の時点でリアルミュートとの再契約に向けて動き始めていた。しかし、新型コロナウイルスの影響により2020年シーズンは無観客開催となり、フィリーズは財政面で大きなダメージを受けている。ジョン・ミドルトン・オーナーは「リアルミュートと契約延長できないならサンチェスの放出には応じなかった」と語っていたが、リアルミュートとの再契約にどれくらいの資金を投じることができるかは不透明だ。リアルミュートの希望を満たすオファーを提示できない可能性のほうが高いかもしれない。

こうした事情を考慮すると、ドンブロウスキーがリアルミュートとの再契約を諦めてマッキャンの獲得に動くのは現実的な判断と言える。マッキャンに対してメッツとエンゼルスが「強力なオファー」を提示していることが報じられているが、ドンブロウスキー率いるフィリーズは逆転勝利を目指してマッキャン争奪戦に加わるのだろうか。

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