12月に入っても、東京や大阪など都市部では日中、気温が15度を超える日が珍しくない。秋の延長のようで、過ごしやすい日が続く。しかし、とうとうそれも終わり。来週からは「冬らしい」「この時季らしい」を通り越し、いきなり、真冬の寒さがやってくる。覚悟して、冬支度を万全にしてほしい。(日本気象協会、気象予報士=安野加寿子)
▽大陸から真冬並みの寒気が日本へ
13日の予想天気図で東日本付近にある低気圧が北東方向へと進んでいくと、14日には、日本付近は西高東低の強い冬型の気圧配置になる。14日以降、北海道や東北の日本海側を中心に、荒れた天気になる見込み。
予想では、上空1500メートル付近ではマイナス6度と、真冬並みの寒気が日本列島に流れ込む。その後、14日から15日にかけて日本列島の南岸まで南下してくる。そのため、15日以降は広い範囲でグッと冷え込むことになる。
「上空1500メートル付近ではマイナス6度」という寒気は、平地でも雪を降らせるほどの強さを示している。
今季、西日本や東日本の日本海側では本格的な雪がまだ降っていないが、来週前半は広く雪が降ることになりそうだ。
一方、太平洋側では、来週前半は冬型らしい晴れの天気の見込み。ただ、急激な冷え込みに注意する必要がある。
今まで厚めの秋コートや、ウールコートで過ごせた地域でも、真冬並みの寒さが襲ってくるだろう。急な寒さは体にこたえる。ダウンコートなどの防寒具や真冬用の暖房器具をフル活用し、暖かくして過ごしていただきたい。
▽この先2週間の気温は?
12月は、平年と比べ全国的に気温が高い状態だった。しかし、この後1か月は、全般に平年並みか平年より低くなる見通し。来週からクリスマスごろにかけては、平年より寒くなるところが多くなる。空気全体が冷え込んでいくため、日差しだけでは暖かさは感じにくくなってくるだろう。
寒さにはだんだん慣れることができるだろうが、急激な気温低下やカラカラに乾いた空気、そして年末の気ぜわしさで体調を崩しやすくなる時期になることは間違いない。年の終わりまで元気に過ごすためには、冬支度を万全にしておきたい。
▽週末に冬支度を
〈寒さ対策編〉ダウンコート、マフラー、手袋、帽子など、真冬に使う防寒グッズを出していない方は、クローゼットから出して、準備しておくと安心。子ども用のものは、昨年のものだと小さくなっている可能性があるので、すぐに確認を。カイロや湯たんぽなどがあると、冷え性の方でも安心できる。冬用の暖房器具をまだ使っていない家庭は、あまり我慢せずに使うのも得策。
最低気温が零度近くまで下がる予想が出ている内陸部などの地域では、水道管の凍結防止対策も必要になる。最低気温が3度程度でも、道路の路面が凍結する可能性があるので、特に夜間から明け方の走行には、冬用タイヤの装備も忘れずに。
〈雪対策編〉豪雪地帯や、それに準ずる雪国にお住まいの方はすでに準備万全かと思う。念のため、除雪道具がそろっているか(故障がないか)、食糧のストックがあるかなど、改めて確認しておいていただきたい。
無落雪屋根など、ある程度の積雪に耐えられる設計になっていても、ダクトを掃除するなどして詰まりがないか確認しておくことも大切だ。
積雪後の雪下ろしは、複数の人数で行えるように、家族や近所の方とあらかじめ話し合っておくと安心できるだろう。