慎重な姿勢を見せるカージナルス「1月が新たな12月になる」

カージナルスは今オフ、ここまで目立った動きを見せていない。長年にわたってチームを支えてきたヤディアー・モリーナとアダム・ウェインライトがフリーエージェントとなり、両者との交渉を継続しているものの、その動きは極めてスローペースだ。ジョン・モゼリアック編成本部長は「例年なら12月はチーム完成に向けて補強をスピードアップする時期だが、今オフはそれに該当しない」と強調する。「今オフは1月が新たな12月になると思っている」と今後の見通しを明らかにした。

モゼリアックは「市場の動きがスローになっている原因の一部は、不確定要素が多すぎることだと思う」と発言。確かに、来季のシーズン開催について、いつからどれくらいの観客を入れることができるか全く見通しは立っておらず、ナショナル・リーグでの指名打者制を継続するかどうかすら決まっていない。「このような状況では辛抱強く待つことが大切だ」とモゼリアック。「課題がいくつかあるのはわかっている。でも、これが今オフの我々の方針だ」と慎重に補強を進めていく意向を明言した。

カージナルスの今オフの動きについて、最大の関心が寄せられているのはモリーナとウェインライトの動向だろう。ウェインライトは先日、「まだどのチームからも正式なオファーは届いていない。でも、移籍市場がスローペースなのは理解しているよ」と話していた。モゼリアックはこの2選手との再契約が最優先事項であると考えており、再契約に向けた交渉を継続して行っていることを明言している。この2選手との交渉を完了しない限り、今オフの補強に使える資金の見通しが立たないというわけだ。

ここ数年、カージナルスは打線の得点力不足が顕著であり、「打てる外野手」も今オフの補強ポイントとなっている。モゼリアックは年俸総額を削減しつつ、2人のベテランと再契約を結び、そのうえで得点力不足を解消するという難題に取り組まなければならない。辛抱強く12月を乗り切り、年が明けた1月に効果的な手を打つことはできるのだろうか。

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