諫早、たらみ、森山図書館長 相良氏を文科相表彰 長年の運営、自主学習評価

図書館関係者の文科大臣表彰を報告する相良館長(中央)=諫早市立諫早図書館

 図書館法施行70周年を記念した文部科学省の図書館関係者表彰(文科大臣表彰)に諫早市立諫早、たらみ、森山図書館長の相良裕氏(63)が長崎県で唯一、選ばれた。長年、公共図書館の運営に携わり、県内の図書館員らの自主学習団体「本図(ほんと)会」の活動にも尽力している点が評価された。
 同表彰は1980年の同法施行30周年から10年ごとに実施。県に記録が残る2000年度以降、本県で3人目。今回、全国から76人が選ばれ、新型コロナウイルス感染拡大で表彰式は中止となった。
 相良館長は80年、旧西彼多良見町職員となり、社会教育担当として移動図書館の導入や、04年開館のたらみ図書館の建設と運営に携わった。17年4月、諫早市立7図書館・室を統括する現職に就任。本図会では、図書館員の学ぶ場やネットワークづくりをリードしてきた。
 相良館長は、図書館法第3条「図書館は土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、学校教育を援助し、家庭教育の向上に資する」の条文に触れ、「7館・室それぞれ地域の状況に応じた特色があり、市民とコミュニケーションを図りながら活動している」と語る。
 さまざまな情報が錯綜(さくそう)する時代の中で、これまで「多様な人に寄り添い、成長する図書館」を目指してきた。「多くの先輩に導かれてきて、受賞はおこがましい。使いやすく、役に立ち、集まりやすく、楽しめる場所にするのが私たちの仕事」と今後の抱負を語る。

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