ナショナルズ カブスから放出のシュワーバーに興味

ナショナルズは正右翼手のアダム・イートンの来季オプションを破棄したため、外野手の補強が急務となっている(イートンは古巣のホワイトソックスと契約)。フリーエージェント市場にはジョージ・スプリンガー、マイケル・ブラントリー、エディ・ロサリオといった有力な外野手がいるものの、地元紙「ワシントン・ポスト」のジェシー・ドーアティによると、ナショナルズはカブスからノンテンダーFAとなったカイル・シュワーバーの獲得に興味を示しているようだ。

ナショナルズは今オフ、正右翼手のイートンと控え外野手のマイケル・A・テイラーがフリーエージェントとなり、イートンはホワイトソックス、テイラーはロイヤルズと契約。外野手の層が薄くなっている。今季終盤は左翼アンドリュー・スティーブンソン、中堅ビクトル・ロブレス、右翼フアン・ソトという布陣が採用され、補強がなければ来季もこのままの布陣で戦うことになるが、左翼手または右翼手を補強し、スティーブンソンを控えに回すのが理想の形だろう。

シュワーバーは2019年に打率.250、38本塁打、92打点、OPS.871という自己最高の成績をマーク。ところが、今季は不振を極め、59試合に出場して打率.188、11本塁打、24打点、OPS.701と実質自己ワーストの成績に終わった。カブスから来季の契約をオファーされず、日本時間12月3日にノンテンダーFAとなって放出されたが、「コロナの影響がない例年通りのオフシーズンならカブスに残っていただろう」とも言われている。

ナショナルズがシュワーバーの獲得を検討するうえで懸念されるのは守備面だろう。シュワーバーは「指名打者向き」と言われることが多く、今季首位打者に輝いたソトも守備の上手い選手ではないため、外野の両翼にシュワーバーとソトを置くことには相当なリスクが伴う。中堅のロブレスも2019年の守備防御点+23から今季は-4と大幅に数字を悪化させており、外野の守備が崩壊しかねない。

とはいえ、アンソニー・レンドンの穴を埋め切れずにリーグ10位の66本塁打に終わったナショナルズにとって、シュワーバーの長打力は非常に魅力的だ。カブスでベンチコーチを務めたデーブ・マルティネスが監督を務めていることも、シュワーバーの獲得を目指すうえで追い風となるかもしれない。

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