具志川商、センバツ21世紀枠候補に 「選ばれた自覚持つ」 1月29日の選考委で出場3校決定

 【うるま】21世紀枠候補校に選出された具志川商ナイン。選ばれたことは当然うれしいが、決して浮かれてはいなかった。粟國陸斗主将は表情を変えずに語った。「練習で取り組んできたことを続けていくだけです」。学校の名に恥じぬよう一層気を引き締める。静かに決意を新たにした。

 授業後、担任から選出を伝えられ、部室に集まって喜んだ。「選ばれたことに感謝し頑張ろう」。確認し合うと、普段通りに練習へとグラウンドに飛び出した。

 練習の合間、マネジャーが作るおにぎりでエネルギーを補う。米は父母会が用意してくれているもの。支えられていることを実感している。粟國主将は「選ばれた自覚を持ち、応援してもらえるチームづくりを心掛けたい」とも語った。

 喜舎場正太監督は「ほっとしている。評価してもらえたのはありがたい。本人たちのモチベーションアップにつながる」と喜んだ。

 コロナ禍の中、練習時間は制限されている。喜舎場監督は「時間は平等に与えられている。どう使うか。今後の練習姿勢を見ていきたい」とこれからも自主性を重んじる考えだ。来年1月29日の選考まで、一喜一憂することなく、これまで通り練習に励む。

◇磨かれた機動力 具志川商
 具志川商は今秋の第70回県秋季大会の準決勝で興南を3―2で退け、同校初の決勝に進出した。秋季は準優勝だったが、初の九州大会でも躍動した。初戦の東海大熊本星翔(熊本1位)を4―2で押しのけ、初白星を飾った。準優勝した福岡大大濠(福岡1位)に準々決勝で0―3で敗れたが、初出場で九州8強入り。磨かれた機動力の“具商”らしいプレーで粘りを見せた。

 これまでの選考では、地元産品を販売する「具商デパート」で部員が店長や副店長として中心的な役割を担い、学業では簿記や情報処理などの検定取得にも励んでいることが特徴として挙げられた。

 民間で働くOBの喜舎場監督が率いて初の九州で初勝利を挙げたことも評価された。

 県高校野球連盟の岩﨑勝久会長は「甲子園の経験こそないが、文武両道で選手の成績や生活態度も良好と聞いている。総合力が素晴らしいチーム」と評し、初の選抜出場に期待を寄せた。

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