【ドラッグストア協会】池野会長「20兆円産業化」視野に

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は12月11日に会見を開き、池野隆光会長はドラッグストア産業の20兆円化も視野に入ってきたとの考えを示した。ドラッグストア産業は今年、8兆円程度までの成長が見込まれており、事業計画として「2025年にドラッグストア業界を10兆円にする」と掲げている。こうした中、池野会長は、「(10兆円から)10年後には20兆円産業化も難しくない」との考えを示した。食品スーパーやホームセンターの得意商材も取り込んでいくほかネット販売にも力を入れていくことなどを理由に挙げた。

池野会長は、コロナ禍に見舞われた今年のドラッグストア産業の成長率を「7%ぐらいが平均ではないか」と推測。その上で、「年率成長が8%だとすると、10年で産業は2倍になる」とし、「(10兆円産業化を目指すドラッグストアが)20兆円はどうなのか、というと、難しくない。いけると思っている」と述べた。

理由として、「ドラッグストアが出店をしていくと出店していくだけではなくて、食品スーパーやホームセンターの商材を相当扱っていくことになる。また、ネット販売に関して、まだドラッグストアはそれほど注力していないが、今後は手を出していくことになる」ことなどを挙げた。

池野会長は会見でコロナ禍で「生活業態としてしっかりした方針を持っていくことが重要」といった考えや、従来同様、「厚生労働省、日本薬剤師会、日本保険薬局協会などとの連携の重要性」、「ドラッグストア業界が率先して環境問題に取り組む必要性」などについて意見を述べた。

他団体との連携については、「さらに絆を深めていく必要がある」と述べた。最近も会合を持ったことも明らかにし、「共通できるところは共通していこうと話している」とした。

環境問題に関しては、JACDSが義務化の7月以前に、4月から買い物袋有料化に踏み切ったことに触れ、「当初は規模感の違いがある中で不可能ともいわれたが、前倒しに踏み切れたのは会員各社の意識の高さがあったからだ。今後も私たちができることは積極的に取り組んでいくべきだ」と強調した。

買い物袋の削減に関しては、JACDS全体で85%の削減になっているとの状況も報告した。今後は、返品の削減やペットボトルのリサイクル、照明器具のLED化など環境問題への取り組みを推進する考え。

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