レイズが元エース右腕・アーチャーとの契約を検討か

レイズがエース右腕のクリス・アーチャーをパイレーツへ放出してタイラー・グラスナウ、オースティン・メドウズ、シェーン・バズを獲得したトレードは、近年有数の「一方的なトレード」として知られている。このトレードで大成功を収めたレイズだが、フリーエージェントとなった元エース右腕を呼び戻すことを検討しているようだ。地元紙「タンパベイ・タイムズ」のマーク・トプキンはレイズがアーチャーとの交渉を行っていることを伝えている。

今季のメジャーリーグは新型コロナウイルスの影響により異例の60試合制でレギュラーシーズンが開催された。選手たちは3月中旬から約4ヶ月間に及ぶ中断期間を経て、約1ヶ月間の夏季キャンプのあと、2ヶ月強のレギュラーシーズンに臨んだが、この異例のスケジュールが選手たちの身体にどのような影響を与えているかはわからない。今オフは、ほぼ全ての球団が万が一の場合に備えて選手層を厚くすることを考えていると言われている。

レイズはチャーリー・モートンとの再契約に失敗し、モートンはブレーブスへ流出。エース左腕のブレイク・スネルもトレード放出が取り沙汰されており、先発3本柱のうち2人を失った状態で来季の開幕を迎える可能性がある。チーム内には複数の有望な若手投手がいるものの、ほとんど実績のない彼らを戦力として計算に入れるのはリスクが大きすぎる。よって、先発投手の層を厚くするための補強に動く可能性が高い。

そこで候補として浮上したのが元エース右腕のアーチャーだ。今季は胸郭出口症候群の手術を受けて全休し、パイレーツでは33先発で6勝12敗、防御率4.92という期待外れの成績に終わった。自身の価値を再構築するために1年契約を望んでいると見られており、その契約は基本給を低めに抑え、出来高を多く盛り込んだものとなるだろう。レイズでも十分に獲得が可能な価格帯となるはずだ。

トプキンはレイズのロースター内に故障を抱えた投手が多いことを指摘。彼らを故障者リストに移すことができるまでロースターの枠を空けられないため、「メジャー契約ではなくマイナー契約で投手を獲得するかもしれない」と述べている。

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