クローザー放出のレッズは「売り手」なのか「買い手」なのか

秋山翔吾が所属するレッズは今オフの方針が見えにくいチームの1つだ。今季は31勝29敗で7年ぶりのポストシーズン進出を達成。このままさらにチームを強化していくのかと思いきや、先日のトレードでクローザーのライセル・イグレシアスをエンゼルスへ放出した。さらに先発ローテーションの軸の1人であるソニー・グレイにもトレード放出の可能性が浮上している。レッズはこのまま解体に向かうのだろうか。それとも来季もポストシーズン進出を狙うつもりなのだろうか。

メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンドは「レッズは売り手なのか買い手なのか」というファンから寄せられた質問に対して「レッズは今オフ、最も興味深いチームの1つだ」と回答。ノエ・ラミレス、レオナルド・リバスとの交換でクローザーのイグレシアスをエンゼルスへ放出し、先発右腕のグレイの放出にも前向きであることが報じられている。「これはレッズが売り手であることを示唆している」とフェインサンドは指摘する。

しかし、レッズについては「遊撃手補強を最優先に考えている」との報道もあり、フランシスコ・リンドーア(インディアンス)やトレバー・ストーリー(ロッキーズ)といったスター遊撃手の獲得に乗り出す可能性も取り沙汰されている。フリーエージェント市場での補強を検討しているとも噂もあり、フェインサンドは「レイズなどと同じように、戦力面と資金面のバランスを取ろうとしているのかもしれない」と分析する。

そして、フェインサンドが出した結論は「現時点ではわからない」というものだ。イグレシアスとグレイを放出することで浮いた資金を弱点の補強に充てる可能性もあるため、今後の動きを見てみないことにはレッズの2021年のプランは見えてこない。浮いた資金を遊撃手などの補強に回すのか。あるいは資金を節約し、将来に向けて球団内の若手選手を登用するのか。新型コロナウイルスの影響による不確定要素が多いなか、フロントオフィスの手腕が試されるオフシーズンとなりそうだ。

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