渡部問題で『ガキ使』と松本人志の責任はなぜ問われない? 土田晃之は『ガキ使』出演が渡部の希望でなく松本への配慮と推測

日テレ公式HPより

アンジャッシュの渡部建への批判が再燃している。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)の大みそか特番で復帰することが報じられ、慌てて謝罪会見を開いたが、むしろ火に油を注ぐ結果にしかならなかった。

本サイトは芸能人が不倫したからといって芸能活動を自粛すべきだとは1ミリも考えていないが、渡部の行為は、女性を性の道具扱いしたうえ、「多目的トイレ」で性行為に及んだというもの。その差別性を考えたら、報道からわずか半年、しかも『ガキ使』というオフザケ番組での復帰に批判が集まるのは当然だろう。

しかし、今回の騒動で渡部以上に不可解なのは、批判が渡部本人にだけ集中し、渡部をそのオフザケ番組に引っ張り出した日本テレビ『ガキの使いやあらへんで』や番組を牛耳る松本人志の責任を問う声が全く聞こえていないことだ。

芸能マスコミは、渡部本人や所属の人力舎が復帰を焦ったかのように報じているが、これまでの立ち位置や芸風を考えても、渡部が『ガキ使』のような完全色物での復帰を自ら望むわけがない。これは明らかに『ガキ使』側からのオファーだった。

しかも、芸能プロダクション関係者によると、渡部サイドはこのオファーを松本人志の提案と捉えていたようだ。

「渡部サイドは復帰時期や方法についてまだ具体的に煮詰めていなかった。ところが、そこにいきなり『ガキ使』から出演オファーがあった。渡部サイドは当初、かなり迷っていたが、出演オファーを松本の意向だととらえ、断れなかったようだ。松本はテレビ業界を完全に牛耳っている存在だから、松本の提案を断ったらそれこそ復帰は絶望的になる。それよりは、松本の敷いたレールに乗って復帰する方が得策だと考えたんだろう。渡部サイドには『ガキ使』の出演のあと『ワイドナショー』に出演して完全みそぎをするというシナリオも提示されていたという話もあるしね」

渡部と親交のあるお笑い芸人の土田晃之は、4日の『バイキングMORE』(フジテレビ)で、『ガキ使』への出演が本意でなく、松本の顔色を伺ってのものだったことを示唆していた。

「渡部がたぶんもし復帰するんだったら、きっとレギュラー番組だと思うんですよ。計画を立てるなら。だってあの番組で復帰しようなんてたぶん思ってないですから」
「お世話になっている先輩で、迷惑かけたんで、僕でも出ると思う、同じ状況だとしても」

●松本人志は渡部を出演させた責任から逃げ情報漏洩に「ルール違反だ」と激怒するスリカエ

そう考えると、日本テレビ、『ガキ使』、そして松本人志の責任は重大だろう。松本自身は、渡部の出演報道があった直後の『ワイドナショー』で、「あの番組は、誰がゲストでどこで出てきて何をするかというのはわれわれは知りたくないわけですよ。ドッキリを仕掛けられる側ですから」「ところが今回、収録前にネットニュースで知らされるというね」と、出演を知らなかったかのように語っていたが、本当なのか。番組と松本の力関係を考えると、世間を騒がすことが必至のこんなキャスティングを松本に相談せずに勝手に進めるとは考えづらい。

また、仮に松本が「週刊女性」の報道まで渡部の出演を知らなかったとしても、報道後の18日に渡部の出演シーンは予定通り収録されたのだから、松本が渡部の復帰を認めていたことには変わりはない。

ところが、松本は同日のワイドショーで出演させた側の責任については一切コメントせずに、事前に情報が漏れたことについて「ルール違反も甚だしい」などと話をすり替え、八つ当たりしてみせたのだ。

さらに渡部が会見した後の6日に放送された『ワイドナショー』では、「言いたいことは山ほどありますけど、言えることはちょっとしかない」と前置きし、「今年の年末の『笑ってはいけない』は、お子さまからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめる番組に仕上がっていると思うので、ぜひご覧くださいとしか言いようがない」などと発言した。

おそらく、松本は「世間の圧力のせいで渡部を出すというおもろい企画が潰された」ことを皮肉ったつもりなのだろうが、ならば「言えることはちょっとしかない」などと逃げずに堂々と主張すればいいだろう。それをこういうかたちでごまかすというのは、姑息というしかない。

しかし、芸能マスコミもネットメディアもこんな松本の姑息なごまかし発言をありがたがって紹介するだけで、渡部を出演させた『ガキ使』の責任はもちろん。松本がどういう関わり方をしていたのかさえ一切追及しなかった。

渡部のことはあれだけフルボッコする一方で、テレビを牛耳る大物・松本人志にはほんの些細な追及さえできない。芸能報道のこの弱いものいじめとご都合主義はどうにかならないものなのか。いや、政治報道だっておなじようなものだから、マスコミの体質が根本的に変わらない限り、きっとどうにもならないのだろう。
(林グンマ)

© 株式会社ロストニュース