「核廃絶へ海外でも動き出てきている」 教皇長崎訪問1年で高見大司教

教皇来崎の意義について講演した高見大司教=県庁

 県や長崎市、長崎大でつくる「核兵器廃絶長崎連絡協議会」の核兵器廃絶市民講座が12日、県庁であった。カトリック長崎大司教区の高見三明大司教は、昨年11月のローマ教皇フランシスコの長崎訪問を機に、米国カトリック司教協議会が米政府へ核兵器禁止条約に署名するよう要請するなど、海外でも動きが出てきていると報告した。
 高見大司教は「ローマ教皇の長崎訪問の意義」と題して講演。「被爆地から全世界に向かって(核廃絶への)思いを述べることで、人々に訴える力を帯びた」と強調した。訪問以降、カナダやドイツの司教団も核兵器廃絶方針への支持声明を出しているという。
 ローマ教皇は昨年11月24日に長崎市を訪問。松山町の爆心地公園で「核兵器のない世界は可能であり必要だと確信している」と訴え、各国の政治指導者に行動を促した。「軍拡競争は貴重な資源の無駄遣いで、途方もないテロ行為だ」と強く非難した。
 本年度5回予定している講座の4回目。オンラインも含め約120人が耳を傾けた。

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