諫早、雲仙市民アンケート 諫干 防災効果を評価 地域活性化の実感乏しい

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諫早、雲仙市民意識調査の結果を考察する樫澤教授=諫早市高城町、高城会館

 国営諫早湾干拓事業や自治体合併の影響について、諫早、雲仙両市民の意識を探るアンケートの結果がまとまり、12日、諫早市内で報告会があった。堤防道路の利便性や防災効果を評価する人が多い一方、経済や観光などの地域活性化の実感が乏しい状況が明らかになった。

 大学教員らでつくる「活力ある地域社会の形成」研究プロジェクト(代表・加藤雅俊立命館大准教授)が9~10月に実施。18歳以上の2100人(諫早1600、雲仙500)に郵送、731人(同556、同175)が答えた。
 干拓事業に関して、諫早の65.1%が「河川の氾濫防止」を、雲仙の81.7%が堤防道路の利便性を評価。「農業者と漁業者の対立を生んだ」と答えたのは諫早64.9%、雲仙54.9%。市の活力や経済活性化を実感しているのは両市とも1~2割にとどまった。
 潮受け堤防排水門の開門調査を巡り、複数の裁判が続く中、両市とも3割弱が「裁判が紛争処理に役立っていない」と回答。「専門家による調整」「裁判所による統一的見解」「和解の働き掛け」「住民投票」を求める声が多かった。
 自治体合併後の行政サービス向上を認識する一方、両市の5割超が「市の活力を感じない」と回答。諫早は商業活性化、雲仙は農林業の安定を重視する声が多かった。
 佐賀大の児玉弘准教授は「日本の裁判制度の限界を示す状況でありながら、裁判での解決が期待され、和解勧告が意味を持つ可能性がある」と指摘。同大の樫澤秀木教授は「住民が長引く紛争に疲れ、解決への気概が薄れているようだ。全国的に注目され続けている課題。正面から向き合ってほしい」と述べた。報告会は13日午前10時から雲仙市愛野町の同町文化会館でも開く。