マッキャン逃したエンゼルス 日系3世のスズキに興味

エンゼルスは現在40人枠のなかに捕手がマックス・スタッシとアンソニー・ベンブームの2人しかいない。そうした事情もあり、ホワイトソックスからフリーエージェントとなったジェームス・マッキャンの獲得に乗り出していることが報じられていたが、マッキャンは4年契約でメッツと合意。エンゼルスは正捕手獲得に失敗した。そんななか、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールは、エンゼルスがナショナルズからフリーエージェントとなったカート・スズキに興味を示していることを伝えている。

現在37歳のスズキは祖父母が愛知県出身の日系3世で、キヨシというミドルネームを持っている。2007年にアスレチックスでメジャーデビューし、メジャー14年間で通算1512試合に出場。捕手として通算1427試合に出場しており、これは歴代41位、現役ではヤディアー・モリーナ(1989試合)に次いで2位となっている。ツインズ時代の2014年にオールスター・ゲーム選出を果たし、2019年にはナショナルズでワールドシリーズ制覇を経験した。

今季はナショナルズで33試合に出場し、打率.270、2本塁打、17打点、OPS.745を記録。ブレーブスに加入した2017年に自己ベストの19本塁打、OPS.887をマークするなど打撃開眼し、直近4シーズンで打率.272、OPS.812と上々の成績を残している。もともと守備面への評価はそれほど高くないものの、安定感のある打撃を武器に出場機会を確保している形だ。

エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは2017年9月から今季までブレーブスのGM補佐を務めていたが、スズキは2017年から2シーズン、ブレーブスでプレーしている。守備面の各指標を見る限り、スズキはディフェンス能力で投手をサポートできる存在とは言い難いが、ミナシアンは豊富な経験を生かしたインサイドワークなど、指標には表れない部分を高く評価しているのかもしれない。

エンゼルスは今季、スタッシが31試合に出場して打率.278、7本塁打、20打点、OPS.886と打撃面で大きな成長を遂げたが、フルシーズン正捕手を務めた経験は1度もない。経験不足のスタッシをサポートするうえで、スズキはうってつけの存在と言えそうだ。

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