元新潟市秋葉区役所建設課主査の免職を受け、中原八一市長が会見

中原八一市長

新潟市の中原八一市長は14日、官製談合防止法違反および公契約関係競売入札妨害事件で、元秋葉区役所建設課(現・西蒲区役所建設課)の主査・神田誠氏(52)が同日付で免職になったことを受け、会見を行った。

神田氏は、今年3月25日に入札を執行した「秋葉公園管理業務委託」の指名競争入札に関し、秘密事項である最低制限価格などを漏洩した。これにより今年10月、逮捕、起訴されている(なお初公判は25日に予定されている)。

また管理監督者として同日付で秋葉区役所の部長級職員、部次長級職員(事件発生当時)が戒告処分、課長級職員、課長補佐級職員が減給10分の1(1ヶ月)、係長級職員(2名)が戒告処分になっている。

中原市長は冒頭、「11月16日から当事者である職員(神田氏)及び管理監督者への聴取を行なってきたが、職員が株式会社フィールドスケープ社取締役に対し入札に関する秘密事項である最低制限価格を漏洩したことが確認できた。よって本日付で神田誠を懲戒免職処分とした。なお今回の事件は2004年の際に指摘されたような組織的な問題ではなく職員個人による非行為と考える。しかしながら秋葉区建設課において今回の事件を引き起こす原因のひとつとなった情報セキュリティの確保が不十分であったことなどの理由により管理監督責任として秋葉区役所の課長級及び課長補佐級職員を言及10分の1(1ヶ月)、部長級、部次長級、係長級2名を戒告とした」と話した。

調査は、11月16日以降行い、神田氏本人に電話も含め数回、所属していた職員15名に1〜2回聞き取りを行ったという。

調査の中で、神田氏は、「フィールドスケープ社から明確な働きかけはなかった」と語っており、漏洩した理由は、平成28〜30年年度の秋葉公園管理業務を委託していたフィールドスケープ社のこれまでの仕事ぶりを評価し落札させようとしたためという(フィールドスケープ社からの直接的な働きかけはないものの、神田氏は秋葉公園管理の担当(維持係)でフィールドスケープ社とは以前から知り合いで、フィールドスケープ社からは「ぜひうちにやらせていただければ、しっかり管理できます」と言った話はあったという)。

金品の授受もなく、新潟市人事課によると、「本人には誠意を持って答えていただき、迷惑をかけたと話していた」という。

一方、神田氏は公園管理の担当(維持係)ではあったが、入札の担当ではなかった。そんな中、最低制限価格を積算する管理係から、神田氏の所属する維持係に、積算根拠の確認のため書類が回ってきた。その書面が同僚の机の上にあり、それを見て、最低制限価格を知ったという(漏洩するという悪意を持って最低制限価格を知ったり、前任からの引き継ぎがあったり上司から命令されて漏洩したわけではないという)。

なお官製談合事件の原因究明、再発防止の調査検討チームの調査については終了しており、現在、再発防止策(報告書)について最終的な調整を行っている。「(報告書については)今議会中の全員協議会で改めて説明させていただきたい」と中原市長は話していた。

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