福島への移住者、支援金200万円で増える? すでに20~40代を中心に転入者が増加している地域も

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政府は来年度、福島第一原発の周辺地域に移住する人を対象に、最大200万円の支援金を出す方針を固めた。一部区域の避難指示が解除された後も人口減少に歯止めが掛かっておらず、移住者を呼び込んで地域の復興再生を促したい狙いがある。

対象エリアは、田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、川内村、葛尾村、飯館村の12自治体。移住して5年以上住むことや就業などが条件となるものの、県外企業に勤務し、リモートワークをしながら暮らすケースでも支援金を受けられるという。読売新聞が12月13日付で報じた。

震災からもうすぐ10年……対象には人口2割減のエリアも

いずれも人口が大きく減少している地域だ。東日本大震災の前後で住民基本台帳に登録された人口を比較したところ、12市町村中で人口最大の南相馬市では、震災前年の2010年3月時点で約7万2000人だった人口が、およそ9年後の20年1月には約6万人(17%減)になっていた。

このほか、浪江町では21%減、川俣町、富岡町では各20%減、双葉町では18%減などと減少幅が激しい地域では2割前後の人口減少がみられた。

これらの自治体では以前から、積極的に移住者の呼び込みをしている。大熊町では、震災発生後に町内に転入し、その後1年以上生活している人を対象に費用の一部を助成。補助金額は、県外からの移住で20万円(単身者は15万円)、県内からの移住で15万円(同10万円)となっている。

富岡町では定住促進を目的に、町内に10年以上定住することを誓約した人に向けて、住宅取得費またはリフォーム代の一部を助成。補助金額は、対象経費の15%か300万円のうち、いずれか低い方を適用する。

南相馬市、川俣町などで転入者が増加傾向

福島県全体でも、移住者を歓迎している。県の地域振興課によると、17年度から移住支援事業を本格化。移住希望者に対する交通費の一部補助や、移住者受け入れ団体の活動費助成に加え、首都圏で年1回開催している移住セミナーなどに力を入れている。

また、本年度からは県内でのテレワーク体験者を対象にした補助金を支給。短期のコースであれば一泊1万円、1~3か月間の長期であれば30万円を上限に、新幹線代や宿泊費の一部を補助している。同課の担当者は、

「震災前は『退職後にのんびりしたい』と考える団塊の世代の移住者が多かったのですが、最近は20~40代といった若い方が移住を希望する傾向があります」

と説明する。前述の通り、過去9年で人口はいずれの自治体でも減少している一方、転入者数は南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、川内村の5自治体で増加していた。同担当者は

「全国的な傾向でもあるのですが、若い方を中心に価値観が多様化しており、住む場所に仕事以外の価値を求める方が増えているようです」

と要因を分析する。今回の12市町村が属する「浜通り」と呼ばれる海沿いの地域でも、震災後は一時的に移住者が減ったものの、15年ごろから増加傾向が続いているという。