【聞かせて】 No.690「有馬 要治さん・木彫刻の優秀技能者で山口県知事表彰」

 木彫刻において卓越した知識・技能技術を持ち、全国規模で伝統の継承に努める功績などが認められ、11月に優秀技能者として山口県知事表彰を受けた。「やりたいことを一心にやってきただけ。今の自分があるのは、その時々に出会ってきた人々のお陰」と感謝する。

 約20年前から愛知県半田市で山車の修復に携わる。5両のうち3両を手掛けた亀崎の山車が使用される亀崎潮干祭の山車行事は、国の重要無形民俗文化財に指定された後、ユネスコ無形文化遺産にも登録された。同市は31両の山車が揃う「はんだ山車まつり」が有名で、山車は龍や唐獅子など繊細な彫刻で埋め尽くされている。

 「山口県内にはかつて『長州大工』と呼ばれた彫刻もできる大工集団がいた。彫刻文化の歴史を持つ県に生まれたことを誇りに思い、文化をつないでいきたい」と話す。

 

【プロフィル】1953年徳山市須金(現周南市)生まれ・山口市小郡在住の67歳。1973年から10年間、富山県南砺市の井波彫刻職人・南部白雲に弟子入りし、「白匠」の号を授かる。大道寺(山口市名田島)仏像、いろり山賊(岩国市)桃李庵内の彫刻など、建築彫刻作品多数。

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