神奈川県横須賀市は15日、福祉の窓口で受けた相談内容の会話を自動で入力・認識する「AI(人工知能)相談パートナー」の実証実験を行うと発表した。自動で会話が書き起こされることで職員の作業負担が軽減され、業務の効率化などが期待できるという。
対象は福祉の総合相談窓口業務と、母子父子寡婦福祉資金貸付業務。16日から来年3月31日まで、相談者の同意を確認して行う。
実験を行う三菱総合研究所(東京都)、アイネス(同)によると、市民と職員のやりとりをAI相談パートナーが自動で文章に変換。職員の手元にあるパソコンに内容が表示され、確認しながら対応できる。AIは文章の意味も解釈し、相談の参考になる情報を会話の内容に応じて表示する。
さらに相談の記録表も自動で作成することで、職員の作業も省力化。音声認識力は約9割で、データはAIに蓄積されて必要な情報抽出の精度を高める。将来的にはAIがよりよい提案をすることを目標にする。
市によると、2窓口の合計で、毎月約600件の相談を受けているという。上地克明市長は「事務負担を減らすことで職員には表に出てもらい、市民と向き合い寄り添う時間を増やしたい」と期待感を示した。