泣いても笑っても

 〈Like or not〉が英訳の一例らしい。好むと好まざるとにかかわらず…だ。物事が最後の段階に来ていることを言う「泣いても笑っても」。2020年もいよいよ残り半月▲昨日は寒気の流れ込みでぐんと冷え込み、県内のあちこちで初雪が舞った。冷蔵庫に入ってるみたいですねえ、と同僚。冷蔵庫なんか入ったことないから分かんないよ、と答えかけて思いとどまり、少し笑った▲寒い、と言えば…。政府がようやく「Go To トラベル」の一時停止に踏み切った。菅義偉首相の背中を押したのは、専門家の強い警告か、支持率の急落か。いずれにせよ決断の遅さはいささかお寒い▲その菅首相、同じ日に“パーソナルな今年の漢字”を問われて「働」と答えたそうだ。もちろん「国民のために働く内閣」の「働」である。この期に及んで「人」が「動く」かあ…の感想は意地悪すぎるか。だが、これも少しだけ笑った▲さて、カレンダー同様、こちらも大詰めを迎えた。サッカーJ2のV・ファーレン長崎は、J1昇格圏の「2位以内」まで勝ち点2差をピタリとキープして、全42節のリーグ戦はきょうと日曜の残り2試合▲泣いても笑っても…とうっかり書きかけて思い直した。最後に笑うのは長崎の私たち-熱いハッピーエンドを信じて。(智)

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