国際客船 来秋再開想定 長崎県、国の感染防止指針踏まえ

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止している国際クルーズ船の受け入れについて、県は15日の定例県議会観光振興・交通対策特別委員会で、国が感染防止対策の指針を策定した後に態勢が整えば、来年秋ごろの再開を想定していることを明らかにした。県の担当者は「国の指針の策定状況を踏まえ、来年秋ごろの再開を見据えて誘致に取り組みたい」と述べた。
 国は東京五輪・パラリンピックに向け、来春から小規模分散型の海外ツアーを試行的に受け入れるよう検討。県は運休している二つの国際航空路線について、五輪後の10月頃からインバウンドの本格的な受け入れが再開される可能性があるとして、秋ごろの再開を想定し準備を進める。
 一方、2022年秋の九州新幹線長崎ルートの暫定開業に伴い並行在来線となる肥前山口-諫早間について、県は鉄道施設の設備投資費として年間1億円かかると説明した。9月のJR九州、佐賀県との三者協議で同社が示した。同区間の鉄道施設は長崎、佐賀両県が設立する一般社団法人に同社が無償譲渡する。線路の保守経費や法人運営経費などを含め年間9億2千万円が必要で、負担割合については佐賀県と協議中。
 また、政府の観光支援事業「Go To トラベル」が一時停止される影響について、前田哲也委員(自民)が質問。県が長崎、佐世保、雲仙3市の宿泊10事業者に聞き取ったところ、濃淡はあるもののキャンセルが14日夜から入ってきているという。県の担当者は「宿泊施設に大きな影響が出るだろう」と予測。施設側は今回の停止前から事業終了後の反動による宿泊客減少を心配していたとして、担当者は「対策をどう打つか検討している」と述べた。

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