不動産業テレワーク推進 ポップミックス(宮崎市)

「サクラプリンテック」で行われている「合格不動産」の紙媒体のデータ化作業

 IT関連のポップミックス(宮崎市、山口和子社長)は、紙媒体のデータ化による不動産会社のテレワーク推進を支援している。情報産業団体の補助事業を活用し、障害福祉サービス事業所にデータ化を委託。障害者の就労支援につなげるビジネスモデル化も視野に、事業をサポートしている。
 テレワークの推進が子どもの就学などを理由にした離職を減らせると考え、山口社長は数年前から取引先などに導入を呼び掛けてきた。今回のコロナ禍で試行する企業がある一方で、契約書や見積書などで紙媒体が主体の不動産業では、導入が進んでいない。それでも必要性を認識する「合格不動産」(宮崎市)の橋本格郎社長から、手法などで相談を受けていた。
 山口社長は、テレワーク化には紙媒体のデータ化が不可欠と判断。合格不動産が扱うマンション、戸建てなどの売買物件の契約書、登記事項証明書、リフォーム事項などを記した紙のデータ化を、同市内の障害福祉サービス事業所「サクラプリンテック」(井上貴文施設長)に11月に委託した。
 データ化には、コロナ対策で中小企業がICT(情報通信技術)を導入する際の「県情報産業協会」(川崎友裕会長)の補助事業を活用。補助金で購入したスキャナー、ノートパソコンをサクラプリンテックに貸し出し、物件ごとのファイル200冊分の約2万枚を、パソコンでの作業経験がある障害者2人がデータ化している。
 来年1月中にサーバーへの蓄積を終える予定で、合格不動産は、これにつながるパソコンを社外から操作して閲覧。出社せず資料を見られることでテレワークを可能にする。橋本社長は「県外に転居予定の社員にテレワークで仕事を続けてもらえる意義は大きい」。
 ポップミックスの山口社長は「今後も紙媒体のデータ化を支援し、サクラプリンテックと連携して障害者の雇用機会拡大にもつなげたい」と話している。

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