「証言2020」発行 故内田さんへ追悼文 継承の課題を特集

「証言2020」を紹介する長崎の証言の会のメンバー=長崎市役所

 被爆証言の掘り起こしや記録に取り組む市民団体「長崎の証言の会」は、年刊誌「証言2020 ナガサキ・ヒロシマの声」(A5判、278ページ)を発行した。代表委員を務めた故内田伯さん=今年4月、90歳で死去=に向け、証言の会メンバーらが寄せた追悼文などを特集している。
 「証言」は1969年創刊で通算77冊目。特集には、内田さんと生前交流の深かった被爆者や報道関係者ら10人が追悼文を寄せている。故人の人柄や功績、思い出などを振り返った。被爆75年でも特集し、証言の会のメンバーらで継承活動の課題などを話し合った座談会の様子を掲載した。被爆証言は再録を含め6人分。
 証言の会は例年、10月ごろに年刊誌を発行するが、今年は新型コロナウイルスの影響で編集作業が遅れていた。17日、長崎市役所で記者会見した山口響編集長(44)は「高齢者に配慮しながらの証言集めはなかなか難しかった。証言を読むことで、核兵器が具体的に人間や社会をどう破壊するのかが理解できると思う」と話した。
 税抜き1909円。問い合わせは同会(電095.848.6879)。

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