九州新幹線・長崎ルート610億円 2021年度予算で国方針

 国土交通省が、2021年度予算の整備新幹線建設費で、九州新幹線長崎ルート長崎-武雄温泉の地方負担などを含めた事業費として610億円を配分する方針を固めたことが17日、分かった。北陸、北海道の各路線を含めた事業費は、本年度から430億円増の4860億円を計上する。
 22年秋に開業予定の長崎-武雄温泉の本年度の事業費は750億円で、140億円の減額となる。土木工事のピークが過ぎていることが減額理由とみられる。
 想定外の追加工事で建設費が2658億円増加し、開業が1年遅れて24年春となった北陸新幹線金沢-敦賀は、本年度から550億円増額の3300億円を配分する方針。北海道新幹線新函館北斗-札幌は20億円増の950億円。
 国交省は、北陸新幹線の建設費上振れは「長崎ルートには影響しない」との見解を示している。
 また17日は、赤羽一嘉国交相と麻生太郎財務相が、長崎ルートなど3路線の建設費を巡って折衝し、国費分は本年度と同じ804億円を計上することで合意した。
 折衝後、記者団の取材に応じた赤羽国交相によると、麻生財務相からは北陸新幹線の追加工事問題に絡んで国費計上の条件として、原因究明や再発防止策を進め、予算の適正執行を求められたという。

 


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