もうお静かに

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 聞くたびに首をかしげる「釈明の定番」がいくつかある。例えば、不祥事を起こした当事者や組織のトップが言う「遺憾に思う」。ああ残念だ-とは、どこか人ごとのようで、肝心の「ごめんなさい」をやり過ごす方便のようでもある▲「皆さんに誤解を与えた」という釈明も、首をかしげる定番だろう。誤解とは事実や相手の真意を「誤って解すること」だから、意味を取り違えているのは「皆さん」、つまり私たちということになる▲新型コロナの感染が広がり、政府は5人以上の会食に注意を促しているが、菅義偉首相は8人で会食した。「国民の誤解を招くという意味では真摯(しんし)に反省している」と首相は語ったが、さて、私たち国民は何かを誤解し、取り違えているのだろうか▲あえて「誤解」の意味を察すれば、会食の場の感染対策はばっちりで、批判には当たらないのに君らは取り違えている-と、そういうことかもしれない▲だとしても政府の呼び掛けとは明らかに一致しない。反省の弁を述べた直後、“はしご会食”に向かったらしいが、首相の言う「誤解」の意味もよく分からなければ、「反省」の意味も分からない▲「真摯に反省」とは、その場をやり過ごす方便なのかどうか。国民に「静かな年末年始を」と言うご当人の“お騒がせ”は、もうお開きに。(徹)