ハワイで惨状伝える原爆展 ロザリオや遺品資料など50点

写真パネルなどで被爆の実相を紹介している原爆展=米ハワイ大ヒロ校(同校提供)

 米ハワイのハワイ大ヒロ校で、被爆の惨状を伝える「ヒロシマ・ナガサキ原爆・平和展」(同校、長崎、広島両市主催)が開かれている。長崎市の浦上天主堂で爆死した信徒のロザリオなど計50点を展示。来年2月27日(現地時間)まで。
 両市は1995年から海外で原爆展を実施。ハワイでの開催は、太平洋戦争開戦の地、真珠湾に係留されている戦艦ミズーリ記念館での展示に続き2度目。
 会場には浦上天主堂のレンガの破片のほか、2016年にオバマ前大統領が広島を訪問した際に贈った折り鶴、惨状を記録した写真パネル、動員学徒の遺品資料などを展示。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の協力で、長崎の被爆者2人の体験記を英訳で配布している。
 長崎市被爆継承課は「多くの留学生が在学する大学で被爆の実相に触れることで、被害と加害など多様な面から学生同士で意見を交わす機会になれば」と話している。
 ミズーリ記念館での展示は、今年8月13日から11月末までの予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休館のため8月下順から中断中。会期を来年3月まで延期している。

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