嵐のレコード大賞出演など“全範囲外交”で挑んでいくジャニーズ事務所

ジャニーズの嵐が30日に行われる「第62回日本レコード大賞」(TBS系)で「特別栄誉賞」を受賞することが決まったが、ジャニーズの“全範囲外交”の現れといわれている。

嵐はレコード大賞の実行委員会が新設した「特別栄誉賞」を受賞。「長年にわたる活躍で広く大衆の支持を得て音楽文化の発展に多大な貢献をもたらした」と説明した。ジャニーズは賞レースに参加しない方針を貫いており、レコード大賞は名前が挙がっても内々に辞退してきた。近年で賞を取ったというと、2010年の近藤真彦が最優秀歌唱賞。さらに昨年、ジャニーズ事務所の前社長のジャニー喜多川氏のために、「特別音楽文化賞」を新設し、賞を贈ったくらいだ。

ある芸能関係者は「TBSは今年の頭から、嵐を何とかレコード大賞に出演させたいという思いを強く持っていたといわれています。交渉段階ではなかなかジャニーズから色良い返事はもらえていないという雰囲気でしたが、TBS側も、パフォーマンス時間など、かなり良い条件を揃えたのだろうといわれています」。

TBSの粘りもさることながら、この出演にはジャニーズのテレビ局に対する変化もあるのではといわれている。ある芸能プロ関係者は「前社長のジャニーさんが亡くなってから、タッキーが副社長になるなど、いまの体制になりましたが、新体制はメディア側とうまく付き合おうという姿勢があるんです。“全方位外交”をやって敵を作らないようにしているといってもいいかもしれません。この年末、嵐は冠番組を持っている日テレ、フジはもちろんですが、テレ朝も『ミュージックステーション』の特番に出ますし、NHKの紅白にも出場する。『レコード大賞』だからと、TBSだけ出ないというわけにもいかないと考えたともいわれています」。

嵐の出演をきっかけにレコード大賞とジャニーズとの関係も変わっていくかもしれない。(二浦誠)

*写真は新国立劇場

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