都農に福祉避難所完成 乳幼児らスペースも設置

都農町中町に完成した町内初の福祉避難所

 災害時に高齢者や障害者ら「要配慮者」を受け入れる福祉避難所が、都農町中町に完成した。バリアフリー対応で、妊婦や乳幼児らのスペースも設置した町内初の専用施設。南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備えた防災、減災力の強化が期待される。
 木造平屋で敷地面積は約1400平方メートル、床面積は182平方メートル。40人の収容が可能で、入り口にはスロープや手すりを設置する。施設内は段差がなく、車いす利用者専用のシャワー室、オストメイト(人工肛門、人工ぼうこうの造設者)対応のトイレも整備。乳幼児ケアスペースも設け、避難生活の負担軽減を図る。
 平時には中町自治会が活動の場として利用し、災害時には運営のサポートも行う。116平方メートルの防災倉庫も併設し、食料や段ボール間仕切りなどの備蓄品を充実させる。総工費は7045万円。
 15日に現地で落成式があり、町や同自治会の幹部らが設備などを確認した。河野正和町長は「要配慮者の避難所であり、中町の活動拠点。地域の安全、安心、活性化につなげていきたい」、同自治会の高田明会長は「地域の公民館として有効活用しながら、維持管理に努める」と話した。

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