いまさら聞けない! スバル 新型レヴォーグの“アイサイトX”ってどんな機能!?

2020年10月15日(木)に発表されたスバル 新型レヴォーグは、8月から始まった先行予約で8000台以上を受注する好調な立ち上がりとなった。そして販売の9割を超えるのが「アイサイトX」装着車だという。TVCMでイノッチが体感しているアイサイトXとは何者か。改めておさらいしてみよう。

スバル 新型レヴォーグ「アイサイトX」試乗 渋滞時ハンズオフアシスト機能(動作イメージ) [撮影:SUBARU]

アイサイトとはスバルの“先進運転支援システム”

2つのカメラが人の目のように車両前方の状況を検知する

スバルの「EyeSight(アイサイト)」という名称は、クルマに多少でも興味がある方なら耳にしたことがあるはずだろう。アイサイトは、先進技術をベースに、万が一の事故や不測の事態に備える“予防安全”として機能し、安全運転を支援するものだ。

ベースとなる技術はおよそ30年前から開発が始まり、当初は非常に高額なオプション装備だったが、のちに大幅なコストダウンに成功し、アイサイトを商品化させた。フロントウィンドウに備えた2つのデジタルカメラ(ステレオカメラ)をベースに、人の目のように前方の障害物などを検知し、万が一に備える。

“ぶつからないクルマ?”プロモーションと低価格戦略で大ヒット

障害物を前に自動停止する姿は衝撃的だった!

2010年には他社に先駆け、完全自動停止する衝突被害軽減ブレーキを搭載しながら、およそ10万円という低価格のオプション設定を英断。「ぶつからないクルマ?」という大胆なプロモーションと相まって、一気に普及。今では各社で採用されている衝突被害軽減ブレーキや、前車追従型クルーズコントロールが広まるきっかけともなった。

2010年から2014年のスバルの調査によると、アイサイト搭載車は非搭載車に比べ追突事故発生率が84%軽減したというから、その効果はてきめんだった。

その後アイサイトは、スバル車の多くのモデルに標準装備されるようになり、同社の安全技術の象徴として今も発展を続けている。

新世代アイサイトとアイサイトXの凄いところとは

新型レヴォーグに搭載される新世代アイサイトは360度センシングを搭載する

そして2020年登場した新型レヴォーグでは、このスバルのコア技術であるアイサイトを大幅にバージョンアップさせた。

視野角を拡げたステレオカメラに加え、前後4つのレーダーを組み合わせ360度のセンシングを実現。交差点の右左折時や見通しの悪い出会い頭など、これまで対処しきれなかったシーンの衝突回避に対応出来るようになっている。

アイサイトXはプロドライバーのような滑らかな動作にも注目

渋滞時の発信アシストやカーブ前速度制御、料金所前速度制御など高度な機能を実現させた

そして本題のアイサイトXだ。新世代アイサイトの機能をベースに、さらに高度な運転支援を実現させたもので、主に自動車専用道路で有効に機能する。

GPS(衛星測位システム)や準天頂衛星「みちびき」などからの情報と、3D高精度地図データを組み合わせ、自車の位置を正確に把握。アクセル・ブレーキ・ステアリング操作のアシストを行い、カーブや料金所の手前で適切な速度に減速したり、車線変更をスムーズに行ったり、渋滞時にはハンズオフ(手放し)も可能な前車追従運転をしてくれるなど、ドライバーの運転を支援する。

筆者も実際にテストコースで体感し機能の多彩さに驚かされたが、何よりもごく自然な動作に感心した。スバルの開発者によると、まるでプロドライバーが運転しているかのような滑らかな動作を実現させるため、微細なチューニングに相当気を配ったという。

ドライバーの異常を察知し緊急停止する機能も

「ドライバー異常時対応システム」デモ走行の様子

中でも注目したいのは、アイサイトXのドライバー異常時対応システムだ。

手放しや居眠り、わき見といった運転者の異常を感知すると警告を行い、それでもハンドルを操作しない状態が続く場合にはドライバーの緊急事態であると判断。クルマを徐々に減速させながら、ハザードランプや、けたたましいほどのホーンで周囲に異常を知らせつつ最終的にはクルマを停止させる。ドライバーの万が一の疾患などを想定した、まさに究極の安全機能といえるだろう。

ここまでの機能を有したアイサイトXは、大画面縦型モニターや高精度ナビ、液晶メーターなどとのセットで35万円(税別)だ。新型レヴォーグを求める9割の人がこれを選んでいる。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]

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