わがまち回顧2020 福岡支社 「貨客混載」展開に注目

長崎―福岡の高速バスのトランクから県産イチゴが入った容器を取り出す担当者=福岡市中央区、西鉄天神高速バスターミナル降車場

 高速バスの空きスペースに九州各地の産品や加工品を載せて福岡市に運び、販売する取り組みが9月に始まった。12月中旬からは県産イチゴが天神の商業施設の一角に並んでいる。生産者らにとっては販路拡大に、交通事業者にとっては収益向上につながるのか今後の展開が注目される。
 乗客と一緒に貨物を運ぶ「貨客混載」は全国で広がっており、新型コロナウイルス感染拡大で乗客が減少している交通事業者の間でも事業化を探る動きが出ている。
 西日本鉄道(福岡市)などは高速バスのトランクを利用した地域産品の混載を宮崎県から始め、長崎、熊本、大分に拡大する。JR九州は今月、九州新幹線を活用し鹿児島から運んだ野菜などを博多駅で販売する初のイベントを実施する。
 西鉄などは、新型コロナの影響で人の移動が厳しい中、産地直送の商品を味わってもらい、生産者の支援やコロナ収束後の往来増につながればとの思いもある。新たな取り組みでさまざまな可能性が広がることを期待したい。
 主なニュースは▽新型コロナの影響で鉄道や高速バスなど減便・運休▽対馬市のアンテナショップが移転オープン▽メモリード(総合本部・西彼長与町)が福岡市に初のホテル開業▽九州7県を巡るJR九州の新しい観光列車「36ぷらす3」が運行開始。


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