昼食後の眠気を撃退!デスクに座ったまま眠気を覚ます6つの方法

外では木枯らしが吹きすさぶ季節、暖房の利いた仕事場でぬくぬくと働けるデスクワークはありがたいもの。しかしその一方で、暖かさについ眠たくなってしまうことはありませんか? 特に昼食後はお腹もいっぱいになり、眠気に襲われることが多い魔の時間帯。本格的な居眠りまではいかずとも、集中力が途切れて普段の力が出せないといった経験は、多くの人がしていることでしょう。今回はその原因と眠気対策についてまとめました。

仕事中に眠気に襲われる原因とは?

睡眠不足

当然と言えば当然ですが、睡眠が不足していると日中の眠気を引き起こしやすくなります。健康的な睡眠時間の目安は7~8時間と言われていますが、個人差も大きく、絶対的な基準はありません。4~5時間で問題なく活動できる人もいれば、9時間以上眠らないとつらい人もいます。「しっかり眠っているはずなのに……」と感じている人は、睡眠時間を長くできないか、生活リズムを見直してみましょう。

日本人の平均睡眠時間は他の先進国と比べても短いことが指摘されています。特に仕事をしている女性は、仕事をしている男性よりも睡眠時間が短いという結果が出ています。これは家事や育児の負担が女性にのしかかりがちな世相を反映しているとされています。パートナーがいる場合は、役割分担について今一度話し合うことも必要かもしれません。

炭水化物のとりすぎ

血液中の糖の量を示す血糖値。血糖値が急激に高くなったり低くなったりすると、強い眠気を引き起こすと考えられています。血糖値は食事をすると一時的に上がりますが、インスリンというホルモンの働きによって徐々に落ち着いていきます。
ところが、食事にあまりにも多くの糖質が含まれていると、インスリンが糖を処理しきれなくなり、血糖値が急上昇してしまうのです。あるいは、過剰にインスリンが分泌されて血糖値が低くなりすぎ、脳の栄養となるブドウ糖が不足してしまうこともあります。

丼ものやカレー、ラーメン、パスタなどはランチの定番ですが、炭水化物が中心で、糖質がたっぷり含まれています。血糖値の乱高下の原因となるため、昼食後の眠気がひどい場合は食事の内容を見直してみましょう。
朝食を抜いて昼に大量に食べたり、時間がないからと短時間で食べるのもあまりよくありません。食物繊維が豊富な野菜から食べたり、午前中にナッツなど糖質の低い間食を摂るのが効果的とされています。
抗えないほどの異常な眠気に襲われる場合は、糖尿病などの病気の兆候であることもあるので、不安を感じたら医療機関に相談してみましょう。

酸素不足

眠気や集中力不足、判断力の低下の原因として意外と知られていないのが、酸素不足です。冬は室内の暖かな空気を逃さないため、窓や扉を閉め切ることが多くなります。空調がきちんと働いていれば適切に換気が行われますが、閉じきった部屋の中に大勢の人が長時間働いていると、どうしても酸素量が低下しがちです。一時的に室温が下がってしまいますが、可能であれば定期的に換気の時間をつくってみましょう。

ストレス

ストレスのせいで夜に考え事をしてしまったり、頭が妙に冴えてしまったりして、眠れなくなることがあります。夜にしっかり休めていないため、昼間に眠くなってしまうのです。反対にあまりに強いストレスにさらされると、逃避行動のひとつとして自然に眠くなることもあります。眠っている間は現実のつらさから一時的に解放されるからです。普段から無理をしていないか、我慢を重ねていないか、自分の心に問いかけてみてください。

デスクでできる眠気撃退法

原因はともかくとして、眠くなってしまったらどうすれば良いのでしょうか。そもそも人間が昼間一時的に眠くなるのは、体内のリズム的にも自然なことと言われています。国によっては長めの昼休みを設定し、昼寝を奨励しているところもあるほどです。しかし、日本で堂々と昼寝ができる職場は多くはないでしょう。ここからは、デスクでできる眠気対策をご紹介します。

コーヒーやガムを摂る

定番の眠気対策ですが、眠気を抑制するカフェインを多く含むコーヒーや、ミント系のガムを噛むのは効果的です。
カフェインは摂取後15分ほどで効果があらわれ始めるので、昼休みの後半に飲んでおくとすっきりした頭で午後のスタートを切ることができます。ただし注意したいのが砂糖の量。糖分を摂りすぎると、上で説明したように血糖値が急上昇し、かえって眠気の元になります。缶コーヒーにはたくさん砂糖が使われているものも多いので、警戒が必要です。また量やタイミングにも配慮しましょう。カフェインへの耐性は人それぞれで、飲みすぎると吐き気やだるさなどの原因となることもあります。また、一般的にカフェインは4時間程度かけて代謝されていくので、夕方以降にコーヒーを摂ると夜眠れなくなるかもしれません。
ミントガムは強い刺激と清涼感のある香りで眠気を払ってくれます。また、顎を動かす動きも目を覚ます効果が期待できます。

首筋や額を冷やす

暖かな部屋にいると眠くなる理由のひとつは、身体がリラックスしすぎて副交感神経が優位になってしまうことです。そこでおすすめしたい眠気対策が、首筋や額などを冷やすこと。手や顔を冷たい水で洗うのも効果がありますが、何度もお手洗いに立つわけにはいきませんし、メイクをしていると洗顔は難しいですよね。冷却シートや、冷やしてタオルで巻いた保冷剤を用意し、時々首筋や額にあててみてください。ひんやりとした感触で頭がはっきりしますよ。

深呼吸・部屋の換気

上でも説明した酸素不足を軽減してくれる眠気対策が、深呼吸と部屋の換気です。集中してデスクに向かっていると、つい呼吸が少なくなったり、浅くなったりしていませんか? 意識を少し呼吸に向けて、深呼吸をしてみましょう。
吸った時にお腹がふくらむ腹式呼吸で、5秒ほどかけてゆっくり鼻から息を吸い、また5秒ほどかけてゆっくり吐く動作を1~2分行ってみてください。部屋の換気も効果的ですが、周囲の人の了解がとれない場合はお手洗いに立ったりお茶を淹れたりする時に、部屋の外の空気を吸いにいくのもおすすめです。

ストレッチ

何時間も同じ姿勢で仕事をしていると、頭は一生懸命働いていますが、身体は血行が悪くなっています。できれば1時間に1回、少なくとも2~3時間に一度は身体を動かしましょう。立ち上がって歩きまわったり、簡単な体操ができればなおよいですが、デスクに座ったままストレッチするだけでも多少は効果があります。指を組んでグーッと上に背伸びをしたり、腕をぐるぐると回して肩周りの筋肉を動かしたり、座ったまま片脚ずつ伸ばして股関節をほぐしたりしてみましょう。

ツボ押し

ツボ押しは座ったままでもできるので、オフィスでの眠気対策として便利です。
眠気を覚ますツボとして有名なものには、以下のようなものがあります。

  • 清明(せいめい):鼻の付け根あたりの骨と、目頭の間にあるツボ。眼精疲労にも効果があるとされています。皮膚が薄く、眼球に近い部位なので力をかけすぎず、親指と人差し指で挟んで引っ張るイメージで刺激します。
  • 中衝(ちゅうしょう):中指の爪の生え際から2~3ミリ下、人差し指側にあるツボ。眠気覚ましや疲労感の軽減に、親指と人差し指で挟んでゆっくりと押します。
  • 合谷(ごうこく):親指と人差し指が合わさるあたりの、やや人差し指側にあるくぼみ。肩こりからくるダルさ軽減にもおすすめのツボです。

思い切って仮眠する

上で堂々と昼寝するのは難しいと書きましたが、オフィスの雰囲気によっては、デスクに突っ伏して仮眠する程度は問題ない職場もあるかと思います。
15分~20分程度の仮眠は午前の疲れを減らし、眠気を覚ますのにぴったりな眠気対策です。30分以上眠ってしまうとだんだん眠りが深くなり、起きる時にかえって大変なので、短い時間に収めましょう。バイブや小さめのアラームなどを設定しておくと寝すぎる心配がありません。
また、仮眠前にコーヒーを飲んでおくのもおすすめです。上で紹介した通り、カフェインは15分ほどしてから効果があらわれるため、仮眠が終わる頃に頭が冴え始めるでしょう。

まとめ

眠気の原因を解消できるならそれに越したことはありませんが、毎日働いていればコンディション次第で眠気に襲われる日も出てきます。

そんな時、いくつもの眠気対策を知っておくと便利ですね。

うまく眠気を散らして、夜にしっかり休めるよう生活リズムを整えていきましょう。

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